セクシャルマイノリティへ理解を示す人のことを「アライ」と言います。
しかし、私はこの言葉に少し懐疑的です。その理由についてお話ししていきます。
【1】セクマイの理解者を示す言葉がある?
LGBTの認知が広まり、さまざまなセクシャリティが存在することが明らかになってきている中で、一体いくつくらい名称があるのでしょうか。
最近SNSなどでも広がっているのが、「アライ」です。
アライとは、LGBTに限らずさまざまなマイノリティを認める人たちのことを指しています。
【2】アライという言葉について…意味などを解説
アライという言葉を初めて耳にした人は、「そんな名称が付いてたんだ!?」と驚く方も少なくないはずです。
さまざまなマイノリティに理解を示す人という括りも、なんだか曖昧なような気がしますが、そもそも何故このような名称がついたのでしょうか。
アライとは英語で「同盟、支援」を意味するallyが語源です。さまざまなマイノリティに対して、支援したい人や理解して寄り添いたいと思う人は、積極的に自分はアライだと伝えていこうという取り組みもあるそう。
日本は欧米などに比べるとまだまだ認知が浅いので、こうして名乗りを上げていくことは多様性を認めやすい社会への近道になるかもしれません。
(Bara/ライター)
【3】アライに懐疑的な理由
しかし、私は「アライ」という言葉に少々懐疑的です。
その理由についてもお話ししていきましょう。
(1)多様性はセクマイだけのもの?
同盟・支援ということで、多様性を認めていこうとするのがアライだと考えられます。
しかし、アライといえば、「セクシャルマイノリティへ理解を示す人」というのが現状主だった意味となっています。
多様性とは、セクシャルマイノリティだけのものなのでしょうか。マジョリティの人だって、それぞれ異なった恋愛観や性愛観を持っているはずです。
「多様性」をセクマイに限定してしまっている時点で、セクマイが特別視されてしまい、セクマイが自然に過ごせる日が遠のいてしまうようにも感じます。
支援って弱者扱いとも取れますからね。今はアライという言葉が必要だと思われますが、多様性が広がったときには必要ないのかもしれません。
(2)アライでないことがマイナスになる?
ただ多様性となると、アライである人もいれば当然アライではない人もいるはずです。
しかし、「アライでない」という事がマイナスの意味になってしまうのは違う気がします。
人の考え方は様々であり、それを強要することはできないはずです。「すぐに誰とでも恋愛しちゃうようなタイプ苦手なんだよね」というようなことと同じように、もともとの好き嫌いというのは少なからずあると思うのです。
それを公言して不快感を与えるのは、マナー違反だと思いますけれどね。どちらにせよ、あらゆるセクシャリティがあるのだという事は知識として知っていた方がいいかもしれません。
知らずに相手を傷つけたりしない為のマナー的な感覚でいるくらいがちょうど良い気がします。
(3)アライを知らない人はどうなるの?
アライという言葉は、よほどセクシャルマイノリティについて日頃から調べている人しかなかなか知り得ない言葉だと思います。
しかし中には、知識として理解しようとせずとも、「みんな違うよね」「そういう人もいるよね」と当たり前に自分とは違う恋愛をする人を受け入れる人もいます。
彼らは、自らアライを公言していませんが、その場合に彼らはセクマイへの理解がないことになってしまうのでしょうか。
マジョリティの一部がセクマイに対して偏見を持っているように、セクマイの一部もまた、「マジョリティの人は理解してくれないし」という偏見を持っているように感じます。
アライという言葉は、アライを知らない人たちを突っぱねてしまうきっかけを作ってしまう危険もはらんでいると思うのです。
また、「理解者=アライ」としてしまうと、「理解しなくてもいいんだ」という考えにつながる人は少なからずいらっしゃると思うので、ある程度普及したときに、世間全体として受け入れていく体制にしていくのは困難になるかもしれないと感じています。
アライを公言しなくて良い、セクマイが当たり前に生活できる社会になればいいですね。
(Amy/ライター)
【4】まとめ
現状、アライという言葉は非常に便利なのは事実です。
しかし、アライという言葉が周知されて力を持ったときに、どのように作用するのでしょうか。
その点に関しては未知数ですよね。
(Bara・Amy/共著)
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