レズビアンがオススメする「超リアリティある」ビアン・百合作品5選

アセクシャルがパートナーになった場合

リアリティあるレズビアン作品に興味がある人も多いのではないでしょうか。

当事者がオススメの作品をご紹介します。

 

【1】レズビアン・百合の雰囲気を作品で感じたい

ご自身がまだレズビアンとして自認を迷っている方や、一般の方でも女性同士の恋愛とはどんなものなのか興味を惹かれるときがあるかと思います。

そんな方に今回は「レズビアン・百合の雰囲気を感じられる作品」をご紹介していきたいと思います。

 

【2】 テーマがレズビアン・百合の作品紹介

レズビアンをテーマとした作品と言っても、あくまでも空想話で現実味がないものや、裏取りの甘いものもありますよね。

レズビアンについて知りたくて、当事者たちをよく写した作品をみたいとなると、当事者の声も欲しいところだと思います。そこで、レズビアンを自認する筆者が、よくできていると感じる作品をご紹介します。

(1)『あの娘にキスと白百合を』缶乃(KADOKAWA)

いきなりレズビアンを扱った作品に手を伸ばしづらい方にオススメなのは百合を扱った漫画です。『あの娘にキスと白百合を』という缶乃さんの描く作品は月間コミックアライブで連載されていた百合漫画で、既に完結しており全10巻となっています。

中高大一貫校の女子高「清蘭学園」で繰り広げられる少女たちの恋物語を本作の主人公「白峰あやか」と「黒沢ゆりね」を中心にオムニバス形式で描かれています。中等部から品行方正で何事も一番を取っていた白峰あやかの前に高等部から進級してきた天才と称される黒沢ゆりねに成績1位を奪われてしまう、という出来事から始まり周囲の人々の恋や葛藤を知りながら成長していく恋物語は、思わず見入ってしまうものがあります。

(2)『私の百合はお仕事です!』未幡(一迅社)

未幡さんが描く『私は百合のお仕事です』もタイトル通り百合を扱った漫画作品です。『コミック百合姫』で2019年現在も連載中で5巻まで単行本が発売されています。

外面を常に良く振舞おうとする主人公“白木陽芽”はひょんなことからお嬢様学校をコンセプトとした「カフェ・リーベ女学園」でバイトをすることになり、外面の良さからカフェの先輩である「綾小路美月」をお姉さまと呼んでしまったことから始まるストーリーです。

陽芽と美月の二人だけではなく、こちらも周囲の人々の葛藤と恋模様が描かれており、セクマイの世界を垣間見ることができることでしょう。恋と共に外面を重視する陽芽の成長を見守れる作品でもあり、気づいたらレズビアンに詳しくなっている……なんてこともあるかもしれません。

(3)『キャロル』トッド・ヘインズ

2015年にアメリカで公開された映画『キャロル』。1950年代のニューヨークが舞台、デパートで働くテレーズがクリスマスを目前に賑わう玩具売り場で美しさと気品、そして寂しさを表情に漂わせる人妻キャロルに心を奪われるところから始まります。

キャロルはとある出来事がきっかけにテレーズと逢瀬を重ねるようになり、自らの恋人と共にいるよりも強い高揚感を感じるようになります。テレーズは元々夫との仲が冷え切っており、急激にキャロルとテレーズは惹かれあいますがキャロルの夫から親権を奪う申し立てをされてしまいます。

キャロルはテレーズに八つ当たりをしてしまい、お詫びと共に旅に付き合ってほしいと頼みます。二人の行く末にドキドキしてしまうこと間違えなし……。

(4)『Go!Go!チアーズ』ジェイミー・バビット

1999年制作のアメリカ映画で日本では未公開ですが、レンタルやDVD発売は国内でもされている『Go!Go!チアーズ』という作品は知る人ぞ知る名作。

主人公のメーガンはチアリーダーで彼氏もいる17歳の少女で、両親や友人、そして彼氏にまでレズビアン疑惑をかけられ強制的に同性愛更生施設に送られてしまいます。ですが、メーガン本人には全く自覚はないものの、周りのゲイの先輩やクラスメイトのグレアムとの出会いから段々と自分のセクシャリティに気付いていきます。

一見、青春コメディ映画ですがホモフォビアや異性愛者優位である現代社会を問題提議を考えさせられる作品です。セクマイが怒れている現状を考えるのにもオススメです。

(5)『 Kissingジェシカ』チャールズ・ハーマン=ワームフェルド

2001年制作のアメリカ映画で、日本では2003年に東京の新宿テアトルタイムズスクエアにて単館上映された『Kissingジェシカ』。出た当初、「セクマイを扱ったものは日本でまだ広げにくいものなのだろうな」と社会の断片を垣間見た心持ちがしたものです。

国内ではDVDが発売されており、レンタルショップでもレンタルが出来るかと思います。監督のチャールズ・ハーマン=ワームフェルドはセクシャリティがゲイであるため、作品のリアリティも最高峰。

ニューヨークの新聞社に勤めるジャーナリストのジェシカは何人かの恋人候補を相手にするも上手くいかず。ある日、ジェシカの好きなライナー・マリア・リルケの詩を引用した“女性の恋人”を探すヘレンという女性の広告を見つけるというところからが話が始まるこの作品。

ヘレンは男性との恋愛経験が豊富であるものの満足が出来ず、同性愛に興味を持っているという人物。会うまでには様々な葛藤がありました。ですが、“ストレート”だった女性がふとしたきっかけで女性と恋に落ちるという感動展開も……。ストレートの人が同性に恋心を抱くようになる……ということは、割と現実でもあるんですよね。

 

【3】まとめ

手に取りやすい百合漫画からレズビアンをテーマにした映画を合わせて5つご紹介しました。

百合漫画は少女たちの青春と恋を扱っているものが多く、レズビアンを扱った映画は百合漫画から更に深く踏み込んだテーマを扱うものが多いかと思います。

漫画からでも映画からでも「女性同士の恋愛」を感じられるきっかけになれば幸いです。

(みなと/ライター)

 

参考
缶乃:『コミックアライブ』全10巻(KADOKAWA,2013〜2019)
未幡:『コミック百合姫』全5巻(2019年6月現在)(一迅社,2017〜2019)
トッド・ヘインズ監督,ファントム・フィルム配給:『キャロル』(アメリカ公開2015,日本公開2016年)
ジェイミー・バビット監督,ライオンズ・ゲート・エンターテインメント配給:『Go!Go!チアーズ』(アメリカ公開1999年)
チャールズ・ハーマン=ワームフェルド監督,20世紀フォックス配給:『Kissingジェシカ』(アメリカ公開2001年,日本公開2003年)

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