人の恋の形はみんな違う……。
マイノリティなセクシャル「LGBTQIA+」に迫る本企画。
今回はXジェンダーでFtXだというTさん(26歳・女性)に話を伺いました。
【1】FtXって?
FtXとは、生物学的性が女性で、性自認がXジェンダーの人のことを言います。生物学的性が男性で、性自認がXジェンダーの場合には、MtXと呼ばれます。
稀にDSDの方がXジェンダーを自認していることもありますが、この場合にはXtXと言われることもあるようです。
さて、Xジェンダーとはなにかという話になるのですが、あり方が多様であるため、共通項を見出すのは難しいと言われています。
自認の仕方は、中性、男性でも女性でもあるという両性、男性でも女性でもない無性などが存在し、格好等も人によって様々です。
【2】自分の性自認に気づいたきっかけ
女性として、あるいは男性として生活していると、なかなかXジェンダーであることには気づけないですよね。
そこで、Tさんに自分の性自認に気づいたときの話と社会にあるバイアスについて、話を聞いてみました。
(1)自分を女性と認識しているか疑問だった
「私が自分自身をFtXだと認識したのは、高校二年生の時でした。それまでも性的指向がバイセクシャルだという自覚があったのですが、『女性として女性が好きなの?』聞かれたことがあって、その時うまく答えられなかったんです。確かに女性のことは好きだけど、私自身が自身を『女性』と認識しているとは言いがたくて。それでようやく、性的指向だけではなく自分自身のセクシャリティについて考えることになりました」
人に言われて、セクシャルマイノリティであることに気がつく人は多いですよね。
(2)女性の体だから疑問を持ったことがなかった
「女性の体で生まれて、生まれてからずっと家族も女性だと思って育てていたので、もちろん私も自分のことは女性だと思ってました。でも考えてみると、体が女性だから周りは私のこと『女性』だと思っているだけで、こころの性別には何の根拠もないことに気づいたんです。目に見えるものじゃないし、色や形や匂いがするわけでもない。そうして考えていった結果、『絶対に男の子ではないけれど、女の子だと思ったこともない』という結論に至りました。それから私は、ずっと『X』です」
身体的に性別が定まっていると、なかなか自分の心の性別について意識する機会がなさそうです。
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