神話上、女装している英雄というのもいます。
ソシャゲに出てくる人たちにもいると聞いて、驚く人も多いのはないでしょうか。
【1】神話上に女装する人物がいる?
性の多様性が認められてきている現代は性的指向で「女装」をする方がいらっしゃいます。
ですが、日本や海外の神話においても、英雄が女装をするという話が残っています。
実は人気ゲーム『FGO』や『Fate』シリーズに登場する英雄たちの中にも、女装をしたことがある人もいます。
【2】女装をしたことがある神話上の英雄
神話において女装する神とはどういった神たちなのでしょうか。
今回は「神話上の英雄の女装」についてご紹介します。
(1) アキレウス
ギリシャ神話に登場する英雄で「アキレス腱」の名前の由来にもなった人物。アキレウスの母テティスは、未来に起こるトロイア戦争でアキレウスが命を落とすことを予言してしまいます。
そのため、テティスはアキレウスがトロイア戦争に巻き込まれないように、女装をさせて娘たちの中に紛れ込ませて隠しました。しかし、トロイア戦争で強い戦士を探していたオデュッセウスがアキレウスの噂を聞きつけ……。
オデュッセウスは娘たちに商人のふりをして近づき、装飾品の中に武器を紛れ込ませます。ですが、娘たちが装飾品にしか目を向けない中、アキレウスは武器に興味を持ってしまいオデュッセウスに発見されてしまいます。
結果、トロイア戦争に参加することになってしまったアキレウスは弱点の「アキレス腱」を攻撃され、予言の通り命を落としてしまうことに。
(2)ヤマトタケル
「古事記」や「日本書紀」に登場する英雄ヤマトタケルも女装をします。ヤマトタケルの父親は、自分の可愛がっている女性を奪った兄に対する父親(ヤマトタケルの祖父)の命令の解釈の違いから、オウスノミコト(ヤマトタケルの幼名)に兄を討伐することを命じます。
そこで、オウスノミコトは自分の父親の兄(叔父)の手足をもいで倒してしまいます。それを恐れたヤマトタケルの父は、現在の熊本や鹿児島一帯を支配するクマソタケルを倒せと命じます。
しかし、父はオウスノミコトに従者を与えませんでした。息子でも強いヤマトタケルが怖くなり、クマソタケルに倒されるのを期待したのでしょう。
ヤマトタケルは、叔母のヤマトノヒメノミコトの元に行き女性の衣装を授けられます。そして、九州にたどり着いたオウスノミコトは女装をして宴に忍び込み、見事クマソタケルを討ち取り…この武勇を称えられ「ヤマトタケル」の名前を貰いました。
(3)アルジュナ
インドで大人気の神話であり、最近ではゲームで知名度が上がった「マハーバーラタ」の英雄、アルジュナも女装をするシーンがあります。
アルジュナはある女神に惚れられてしまいますが、その女神が自分の遠い先祖であることから交際を断ります。それに激怒した女神はアルジュナに性的不能になる呪いをかけられてしまいます。
そこで、アルジュナの父であるインドラ神が仲裁に入り、呪いを「1年間だけ性的不能になる、そしてその期間を自分で決められる」ことに変えてもらいます。
ですが、あるとき、敵対している従兄弟から罠にはめられてしまい国を追放され、アルジュナを含めた5人兄弟とその妻は身分を隠して旅にでなければならなくなってしまいました。(ちなみに、5人兄弟で1人の妻を共有する多夫一妻制です。)
とある国の王宮に1年間、身分を隠して仕えることになった5人兄弟と妻たち。アルジュナは以前女神にかけられた呪いを使い、宦官(王宮などに仕える去勢した男性)として女装をし「ブリハンナラ」という偽名で王宮に仕えることにします。
弓の名手であるアルジュナは、女装をし王宮の女性に礼儀作法や歌や踊りを教えて身分を隠したそうです。
【3】まとめ
アキレウスやアルジュナは最近人気のあるソーシャルゲームにも登場しているので、女装をしたことがあると聞いて驚いた方も多いと思います。
歴史上でも神話上でも「女装」をしたことがある偉人や英雄がいますので、興味がわいてきた方は知らべてみてはいかがでしょうか?
(みなと/ライター)
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