セクマイについては研究途上であったり、様々な解釈が生まれて変化していたりすることから、誤解が生じることがたくさんあります。
一当事者として意見したいこともあるでしょう。その際の注意点を考えていきたいと思います。
【1】セクマイへの誤解が気になる…
近年ではプライド・パレードや活動家の働きかけによって、セクシャルマイノリティへの理解はかなり進みました。それでも未だに偏見を持った発言に出会います。
偏見は、多くの場合悪気なく発せられています。偏見を持っていることに気付かないのは、誤解を解く機会が今までなかっただけなのかもしれません。
筆者は、誤解だと思った発言の直後に軽く声を掛けるようにしています。もちろんすべての場面ではなく、頻繁に接する相手で、誤解を解いたほうが楽だと思う場合のみです。
【2】誤解を解きたいときに気を付けること3つ
「なんか言っていることが違うな……」と思ったとき、誤解を解きたい、解こうと思う人も多いことでしょう。今回はわたしが相手の誤解を解きたいと思ったとき、気を付けている点をご紹介します。
(1)怒らない・叱らない
たとえ怒りたくなるような内容のことを相手が言ったのだとしても、一歩踏みとどまるようにしています。
感情的に話していると、相手もこちらの感情に目を向けてしまうため、伝えたい内容が伝わりにくくなります。
怒っていれば怒りを鎮めたいと思う人もいますし、悲しんでいたら慰めたいと思う人もいるはずです。内容をしっかり伝えるために、自分の感情を切り離して話すように意識してみましょう。
(2)考えてもらうように誘導する
もしも相手がこちらを当事者だと知らない場合、内容によっては勘付かれる可能性があります。当事者だと知られたくないこともあるので、当事者の意見ではなく中立の意見に近づけて話すようにしています。
相手がセクシュアリティに対して定義を勘違いしている場合は、正しい定義を(といっても研究者によっても分かれていることがありますので、こちらも十分に理解している必要があります)。定義が合っていても理解がない場合は、間違っている可能性を伝えるようにしています。
「それはおかしい」と言い切って正そうとするより、おかしいのかどうか考えるきっかけにしてもらえるといいでしょう。
(3)直ぐに理解されなくても気にしない
自分の話を聞いた相手が訂正の発言をしたとしても、まだ誤解が残っていると感じるかもしれません。
しかし人間の考えはすぐには変化しないものです。自分が伝え、別の誰かも伝え、さらに著名人の発言に触れてやっと少し認識が変わるくらい、考え方の変化はゆっくりとしたものだと筆者は考えています。
自分の声掛けによる変化は劇的なものでなくても、積もり積もっていつかわかってくれる日が来るかもしれません。そのための重要なきっかけのひとつとなったはずです。
【3】まとめ
もちろん、誤解に対する意見は必ずしも必要ではありません。場合によっては、相手からの反論によっては自分が傷付くこともあるからです。
相手とは「今後どのくらいの付き合いになるのか?」「どのくらいの深さで関わるのか?」など総合的に考えて言うべきかどうか判断してみてください。また自分の心とも相談して、無理のない範囲で伝えてみましょう。
(オーノサエ/ライター)
コメントを残す