ヘテロロマンティック(マジョリティ)の友達たちから、自身がトランスジェンダー(FtM)であるため、色々と聞かれることがあります。
ここでは、過去に質問されたことを3つご紹介します。
【1】トランスジェンダーに対する疑問は直接聞きにくい?
トランスジェンダー当事者はあまり気にしていなくても、当事者でない人にとっては「こういう場合ってどうなんだろう」「こういう事気にならないのかな……」など、いろいろ疑問がでてくると思います。
身近にトランスジェンダーをカミングアウトしている人がいれば、実際に聞いてみたくなる事もありますよね。
ですが、聞いても良いか迷うこともあると思います。
【2】よく聞かれることと、その回答
ここでは私が実際に友人から質問された「トランスジェンダーへの疑問」をいくつかご紹介したいと思います。
もちろん、あくまでも私の場合ですので、全ての人がそうだと限りませんので、ご参考までにお願いします。
(1) 「スーツどっち着るの?」
私が今まで聞かれた質問の中で、一番考えさせられたのが「メンズとレディース、どちらのスーツを着るか」です。私は成人してからずっとメンズスーツを着ています。といっても、ちゃんとしたスーツではなくカジュアルスーツです。
高校までは制服がありますから、正装が必要な場であれば制服を着用しますよね。高校時代、絶対にスカートは履かない!といった気持ちもなかったので、身体に合わせてそのまま女の子の制服を着ていました。大学に入るとスーツを着る機会も増えます。
いざメンズとレディースどちらか好きなスーツを自分で選んで買えるとなった時、悩むトランスジェンダーは多いのではないでしょうか。私の場合、大学入学当時はレディースのパンツスーツを選びましたが、成人式はメンズのカジュアルスーツを着て、ネクタイを締めて挑みました。レディーススーツよりメンズスーツを身に付けている方が、まっすぐ堂々とした気持ちになれるのです。
(2)「 なんで胸潰さないの?」
「胸潰さないの?」と男性の友人から申し訳なさそうにやんわり聞かれたことがあります。結論から言うと、痛いのでそんな頻繁に潰してられません。
コスプレをする方ならご存知かと思いますが、ナベシャツというものがあります。これは胸を平らにするためのアイテムで、タンクトップ等にサラシが付いているような構造になっています。胸囲を押さえつけて、胸を潰すという仕組みなのですが、痛いです。痛いというよりかは苦しくなるんですよね。
肺周りを圧迫している状況なので、胸を潰すためにキツくしめてしまうと結構呼吸が苦しくなります。そのため、あまり頻繁に胸を潰そうとは思えないのです……。
ちなみに私はステージに上がる機会がよくあるのですが、その際は呼吸が苦しくならない程度に胸を潰しています。その方が気合が入るんですよね。
(3)「トランスジェンダーではない女装家男装家ってどう?」
女装家男装家はトランスジェンダーではない場合もあります。単純に異性の格好をして楽しんだり、自分らしさを表現しているのです。私は全然良いと思っています。どんな格好をしようがその人の自由ですし、私達がとやかく言っていいものではありません。
私の友人には女装家男装家を苦手としている人もいます。「トランスジェンダーじゃないのに~」といった考え方だそうです。捉え方は人それぞれです。全ての人が同じ考え方な訳はないです。
トランスジェンダー視点でどうか……と聞かれても、「良いと思う」の一言に尽きます。その人の個性ですからね。
【3】 まとめ
トランスジェンダーの当事者でない方からすれば、当事者自身ではあまり気にしていないことも気になることがありますよね。
理解を深めようとする姿勢はトランスジェンダーにとってもありがたいです。
答えられる限り答えますが、プライベートな話は断ってから聞いてくれると嬉しいと思います。
(摂津美葉/ライター)
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