【まとめ】サピオセクシャルについて現在明らかになっていること

ザピオセクシャルが求めるIQなど

2014年、新たに追加されたサピオセクシャル。

まだまだ研究途上で論文数も少ないですが、現在わかっていることについて迫ります。

【1】2014年に追加された“サピオセクシャル”

2014年、英語圏の大手マッチングサイトでは性的指向欄に「サピオセクシャル」という項目が増えました。

2019年8月にフランス現役大臣のサピオセクシャルであることをカミングアウトし、フランスで議論がおきました。

サピオセクシャルとはどのような性的指向なのでしょう。どのくらい存在するのでしょうか。

気になる方は、特徴を簡単にまとめた診断テストも参照してみてくださいね。

【2】サピオセクシャルとは?

外見(ルックス、性別、肌の色、ジェンダー、年齢)よりも、相手の知性やIQの高さに性的魅力を感じる性的指向のことです。ディズニー映画で言えば、『美女と野獣』のベルです。

村のイケメン男性を選ばずに、図書館をもち知性のある野獣を選ぶベルがサピオセクシャルの例としてあげられます。

国際人権弁護士アマルに猛烈にアタックし結婚したハリウッド俳優のジョージ・クルーニーもサピオセクシャルかもしれません。

【3】高IQ者は本来恋人ができにくい

日本ではほとんど研究されていませんが、IQ研究は世界中で盛んであり、100年以上の歴史がある研究分野です。

IQは脳の情報処理能力が平均からどれだけ離れているかを表します。実は、IQが高過ぎると、友人や恋人、結婚相手探しに大変苦労します。

IQが20も違うと生活パターンや考え方が違い、人間関係が成り立たなくなるためです。

そのため、自分よりもかなり高い知性やIQの持ち主に強烈に惹かれるサピオセクシャルは特殊です。

参考文献

Gail Post, Ph.D. “Gifted adults and relationships: Ten sources of conflict”

https://giftedchallenges.blogspot.com/2015/07/gifted-adults-and-relationships-ten.html
J.T.ドット『ギフテッド その誤診と重複診断』北大路書房、p.258

【4】パートナーに、どのぐらいのIQを求めるのか? 研究結果

恋人や配偶者の条件に「賢い人」とあげる人が少なくないのにも関わらず、IQが高過ぎる人は恋人ができにくい傾向があります。

そこで「多くの人が恋人や配偶者にどれぐらいのIQを求めるのか?」という研究が行われました。結論としては、「あくまでも平均域内で程々にIQが高いこと」を求めているようです。

この時の調査で、ごく少数ですが、「外見よりも知性に対し、性的に強く惹かれる人」がいることが一定数判明しました。1%〜8%存在するようです。この人たちがサピオセクシャルです。

しかも、サピオセクシャルという性的指向と本人IQの高さは関係がないという結果も出ました。

(1)パートナーに知性を求める度数SapioQ

  1. 平均的な知性しかない相手には性的魅力を感じない
  2. 誰かが知的な会話をしているのを聞くと性的欲求が高まる
  3. とても高いレベルの知性というだけで、性的魅力を感じる理由として十分だ
  4. 自分以上に知性の高い相手に性的魅力を感じる
  5. 知的刺激のある会話を交わすことで性的に満たされる
  6. とても高いレベルの知性があるということが、私が性的魅力を感じるために重要だ

(2)SapioQは釣鐘型のグラフ:正規分布

「外見よりも知性に性的に惹かれるサピオセクシャル」が少数存在しますが、大多数は程々の知性やIQの高さでいいと感じているようです。

サピオセクシャルと反対の「相手が賢いと性的魅力を感じない人」も、サピオセクシャルと同じぐらい少数存在します。

参考文献

Gilles E. Gignac ”Some people are attracted sexually to intelligence: A psychometric evaluation of sapiosexuality”(2018)
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0160289617301551

【5】まとめ

実は、サピオセクシャルという言葉がメディアに出た時、バックラッシュがおきました。性的指向ではないとか「エリート主義」とか「見栄っ張り」など、酷い言葉が数多く発言されました。

しかし、サピオセクシャルにとって、自分たちの性的指向や性的アイデンティティは非常に大事なものです。昔から存在したサピオセクシャルについて、学術研究で調査されたことは大きな一歩ですね。

参考文献

NYtimes “The Hottest Body Part? For a Sapiosexual, It’s the Brain”( 2017)
https://www.nytimes.com/2017/06/02/nyregion/the-hottest-body-part-for-a-sapiosexual-its-the-brain.html

(LIE/ライター)

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ABOUTこの記事をかいた人

生まれた時に割り振られた性は女性で、自認も女性です。アセクシャル・デミセクシャルという言葉を知り、自分がセクシャルマイノリティであることを自覚しました。知ることで、本当の自分を受け入れることができるようになりました。趣味は読書です。使用可能言語は日本語・英語・フランス語です。