世界では27ヶ国もの国で、同性婚が認められています。フランスもそのひとつ。
この記事ではフランスの首都パリでの生活を通して、同性愛について感じたことをお伝えします。
【1】フランス・パリはどんな場所?
わたしはフランスの首都パリで3年間の留学を経験しました。2013年に同性婚が認められた当初は反対派の運動も激しかったようですが、わたしが過ごしていた時期はそのような動きは表立って見られませんでした。
そればかりか、同性カップルへの理解もしっかりとしている印象を受けました。
パリは多民族の街です。アジア人も多ければ、黒人もよく見かけます。古い価値観を変えられないという面は確かにあるのですが、多様性を受け入れようと徐々に変わっていったのではないかと思います。
【2】フランス・パリが同性愛への理解があると感じた理由3つ
ここではわたしが実際にパリで過ごし、同性愛への理解があるように感じたこと、素敵だなと思ったことをお伝えしたいと思います。
(1)「みんな」に優しい
フランスが優れていると思うのは、事実婚がしっかりと制度化されているという点です。フランスにはPACS=民事連帯契約という、共同生活を送るカップルが締結できる契約があります。これは結婚ではなく事実婚の扱いで、異性・同性の決まりがありません。
PACSを結んでいれば、外国籍を持つパートナーのビザを申請することができます。事実婚カップルであっても配偶者としてビザが申請できることは、素晴らしいと思います。
日本には事実婚の制度がないため、正式に結婚していなければ配偶者としてのビザを取ることはできません。またパートナーシップ制度のある地域も、同性のための制度として定めている場所が多いです。
フランスの制度は事実婚、結婚ともにみんなのためのものだという認識があるように思います。実際に、結婚の法律の名前は「みんなのための結婚」(Mariage pour tous)です。
(2)同性カップルが堂々としている
筆者は飲食店でアルバイトしていた時期があります。時間帯によってはビジネスで来るお客さんが多かったのですが、空いている時間帯にはデートで来る方も目立ちました。
中には同性カップルもちらほら。カップルだとわかるほど、あっけらかんとしている人をよく見かけるのです。
テレビを見ていても同性カップルを目にすることがあります。1995年に開始したLes Z’amoursは、カップルが協力してゲームを進めていく番組です。この番組には、同性カップルもごく普通に出演しています。このように同性カップルが日常に溶け込んでいることをとても嬉しく思います。
(3)パリ・プライドの存在
パリでは毎年6月末にパリ・プライドが開催されています。日本で行われているプライド・パレードと近いものだと思います。とにかくお祭り騒ぎで、明るく楽しそうな印象を受けました。
パリ・プライドの舞台となるマレ地区は、アートギャラリーが終結しているほか、おしゃれなお店が並ぶ流行の最先端の場所でもあります。
なかにはパリ・プライドの時期でなくても、常に虹色を掲げているお店も。ファッションの最先端を発信する場所で、こういう姿勢を持っている人たちがいることはとても素敵だと思います。
【3】まとめ
パリのやり方が素晴らしいから全てを真似しよう! とは思いません。しかしながら市民の姿勢、当事者の姿勢としても、見習いたいことはたくさんありました。
いい部分は少し真似したりして、自分の身の回りの状況も変えていけたらいいなと思っています。
(オーノサエ/ライター)
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