三重県知事の鈴木英敬氏が、3日の県議会でLGBT等への差別・偏見をなくすことを目的として、カミングアウトの強制やアウティングを禁止する規定を盛り込んだ条例を制定する方針を発表しました。
【1】アウティング等の条例を制定する方針
性の多様性を理解し、LGBTの人たちなどへの差別や偏見をなくし、支援の輪を広げることを目的として、三重県では独自の条例を新たに制定する方針を表明。
その全容については明かされていませんが、カミングアウトを強制したり、本人の許可を得ずに第3者に性的指向や(恋愛指向)・性自認を暴露することを禁じた規定も盛り込むことを明かしています。
知事は、アウティングについて、「当事者の方を深く傷つけてしまうのはもちろんのこと、その方の家族関係や就労関係を不安定なものにしたり、人間関係を分断し孤立に追い込んだりしかねません」と説明。
2015年に性的指向を暴露され、自殺した事件があったことや、新型コロナウイルス感染判明後にアウティング・差別を恐れて、医療機関の受診をためらうという声があることがアンケートで明らかになったことなどを明かしています。
【2】今年中を目標
これまで、LGBTに関する独自条例として、都道府県単位では東京・大阪・茨城県にて男女共同参画に関する条例が改正されています。
三重県はこれに加わる形となりますが、アウティング等を条例で定めるのは都道府県初となります。
今後について、知事は「この規定のみならず、県全体として多様性が尊重され、包容力ある社会となるよう。しっかり検討していきます」と言及し、今年中の制定を目標としている旨を明かしました。
【3】まとめ
性癖や好きな人を人に話さなくても良い自由が人にはあるように、性的指向や恋愛指向、性自認をおおっぴらにするかどうかは本人の自由があります。
その中でカミングアウトを強要したり、アウティングしたりする行為は悪質であり、人権侵害をする可能性もあるのではないかと思われます。
本来、アウティングされることで就職などが不安定になってしまう社会そのものが変わらなければならないものだと感じますが、今回の条例制定によって、より良い方向に走り出すことを願っています。
(Amy/ライター)
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