【連載】結婚生活をもっと素敵に!###1〜小〜高校生の父子の関わり方

【連載】結婚生活をもっと素敵に!###1〜小〜高校生の父子の関わり方

若かりし頃は遊んでいた自分も、子どもができてからは子どもを溺愛するようになりました。積極的に育児に関わってきたつもりですが、小学生・中学生・高校生の子どもでは、それぞれ父親としての関わり方が異なると感じています。

上の長女、下の長男を育てている父親の1人として、これまでの経験を整理していきます。

【1】年齢によって父子の関わり方は変わる

子どもの成長段階によって父子の関わり方はどんどん変わっていくと筆者は考えています。

同じことを伝えるにも子どもがどういう成長ステージにいるのかによって響く伝え方が違ってきます。

筆者には長女(上の子)と長男(下の子)がおります。長男が小学校一年から始めた野球を通じた関わり方が子育てのヒントになりそうと感じたので、野球を通じた息子との関わり方や、物事の伝え方などを紹介していきたいと思います。

【2】小学生との関わり方

小学生との関わりを話す前に、小学校以前の育て方の反省についてお話しできれば幸いです。上の女の子が産まれてから下の男の子が産まれるまでとにかく両親共に大切に愛情たっぷりと育てました。下の子が産まれたら母親は赤ん坊である下の子にかかりきりになるため、今まで一身に愛情を受けていた上の子が寂しい思いをするだろうと考えました。

だから意図的に父親である私が上の子のことを下の子よりもとても構っていました。すると下の子が2歳、3歳くらいになるころに驚くことを言いました。「お姉ちゃんのパパ、僕のママ」と言ったんです。

冷静に考えれば分かることですが、上の子を寂しくさせないつもりでやっていた事は下の子にとっては逆に寂しい気持ちや疎外感を感じさせることになってしまう行動になっていました。「そうじゃないんだよ。二人のパパとママなんだよ」と何度も伝えて、関わり方もできるだけ同じように変えました。

それからは徐々にですが言わなくなってきたので、きっと理解してくれたと思っています。できるだけ平等に愛情を注いでいると分かるように接することが大切だと感じ反省しました。

さて、小学生になった長男についてです。野球を始めたばかりの息子が心配で、毎週のように練習の手伝いに行きました。練習がない日で友達とも遊ぶ予定がないときは息子と二人でキャッチボールやノックなど自主練をしました。

面倒くさくてやりたくないと言い出す時もありましたが、少し頑張ったら好きな遊びに付き合うとか、ご褒美をあげるとか、上手くなるためには頑張んないといけないと厳しく言ったりと、飴と鞭を使い分けていました。低学年のうちは鞭よりも飴を多くしていました。ただどちらにしてもやる時は楽しくやるようにしていました。

高学年になると飴でつるのではなく頑張らねばならないことがある、継続する大切さなどの理屈を伝えて自発的な努力を促すようにしました。よくない試合をした時は納得いくまで議論することもありました。自我がかなり芽生えてくるので反抗もしてきました。泣きながら向かってくることもありました。

それを否定するのではなく「それでいいんだよ。ちゃんと思ってることをぶつけ合おう」と対話をするようにしていました。そうは言っても今思えば息子に対し高圧的かつ理詰めで対応していた気がするので、もう少し逃げ道を用意しておいてあげてもよかったなと感じます。厳しすぎるかなという時は母親はフォローに回ってくれていたので助かりましたね。両親二人で責めないことは大事です。

【3】中学生との関わり方

中学生になるとクラブチームに入りました。自信は持っていたようですがうまい子が多く補欠スタートでした。そこで私が取ったスタンスは息子の応援者です。

叱責して自主練を無理やり増やさせたい気持ちもありましたが、厳しい競争環境で頑張る息子に「焦らなくていいから。努力を続けていけば大丈夫だから」と励まし続けました。若かりし頃の自分を振り返ると強制しようとしたり強く言っても反発するだけになってしまいますから。

それとこの頃に特に伝えていたのは『結果が大事』ということ。小学生の時はただ頑張るだけで褒めました。中学生になると結果を意識させ始めました。これは会社で戦うオヤジの仕事だと思っています。

結果が出るように頭も使って考えて練習することこそが努力だよと伝えました。「結果が大事」は日頃の生活や勉強でも意識させました。そのエピソードになりますが母親が「スマホばかりしていないで勉強しなさい」と言っている時期がありました。私はスマホを買い与える際に息子と約束しました。「ある基準の成績を下回ったらスマホを取り上げる。取り上げたスマホはその基準よりもだいぶ上の成績を取るまで返さない」そういうルールを設定しました。

私は母親が「勉強しろしろ」言っているのを見かけると、一言だけ「息子の判断に任せなよ。頑張ろうが頑張るまいが成績で判断する約束だから」と息子にも聞こえるように言ってました。

そしてある時期に基準を下回る成績をとってきました。私は息子に「約束だからな、スマホを預かる」と言って取り上げました。一応、礼儀としてみんなにしばらく連絡とれないとLINEで挨拶させてから取り上げました。息子は前向きにとらえてくれたようで「取り上げてくれたほうが迷いなく頑張れる」と言ってくれました。取り上げた後はやはり応援者になりました。

「早く返してやりたいから頑張ろう」というスタンスです。最短でよい成績を取るためにどうするか考えさせました。例えば先生にどうしたら良い成績をもらえるか聞いてそれを実践するとか、やった努力はアピールしようとか。息子は自分なりに努力し約半年後にスマホを返せる成績(取り上げ時よりもよい成績)を取ってきたので「よく頑張ったな」と返してやりました。

正直、一週間くらいで返してあげたくなりましたが、「結果が大事」と教えるよい機会だと私も返さず頑張りました。進路は野球の監督が強豪私学への特待生の話を持ってきてくれました。野球でも努力を継続した息子は主力選手へと成長していたのです。

監督が持ってきた話に親はいいんじゃないかなと思っていたので何となくそこに行く空気が出来ていましたが息子には「監督や親のためではなく、自分の行きたいところに行け」と話をすると公立高校で甲子園を目指したいと。そして公立の強豪校への進学を果たしました。

中学生に対して意識してきたことは、うるさく言うのは母親に任せ、社会の仕組みや論理を教え、結果の大切さを教えました。母親が手に余った時にはガツンと言うこともしてきました。そうすると自然に対話も増えこの作戦はよかったなと感じました。

【4】高校生との関わり方

高校生にもなると野球も勉強もレベルが上がるため教えてやれることはあまりなくなりました。そこで私がやってきたことは、機会を作り、客観的なことを伝えることで本人の成長をサポートすることでした。野球で言うならバッティングセンターに行きたい時に連れて行きました。

そこで動画を撮影し見せました。教えることはしません。「こういうスイングになってるよ。自分のイメージどおりになってるかチェックしてみな」くらいです。勉強のことについて言えば、野球を頑張りながら大学に行くには指定校推薦をとるのが一番いいだろう。だから学校の勉強だけはしっかり頑張ったほうがいい、学校の勉強さえやればあとは野球に没頭できると教えました。あとは社会の論理というものを機会があるたびに伝えていきました。

学歴のもつ大事な意味、学歴がなくても活躍できる仕事、それぞれの大変さなど伝え本人に考えさせました。父親としてはそこそこの大学に行くよう誘導はしています笑。今のところ自らの意思で野球も勉強も頑張っているように見えます。

大きくなってくると普段の会話は少なくなってきますが、例えばバッティングセンターや試合会場へ車で送迎すると時などは貴重な会話の時間になっています。そこで練習のことや学校生活のことなど話をします。

【5】まとめ

年齢とともに子どもの自我はどんどん強くなっていきます。それに合わせるように親は対応していくとうまくいくのではないかと感じています。

同じ趣味を持ったり部活に関われると対話の機会を作りやすくなりますのでしっかりと子育てに関わりたい場合はおすすめだと思います。

父親としては細かいことは言い過ぎず、社会に出て得た知識や、競争社会で得た処世術などを子どもの成長のために客観的事実として伝えていけると、子どもと適度な距離感のいい関係でいられるのではないかと思います。

(ありふれた父親/ライター)

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