アダルト作品では、多く島ネタが扱われています。なぜわざわざ島という設定を盛り込む必要があるのか、日常やファンタジーで良いのでは無いかと思ってしまう人もいることでしょう。島である必要性や意義について、考察していきます。
【1】古くからの風習、移住で性に乱れた街へ…島設定のアダルトコンテンツ多し
アダルトの作品にもジャンルが多くありますが、アダルト作品を撮る場所というのは様々な場所で撮ることが多いですよね。例えばオフィスで撮っているのであればオフィス物になりますし、マンションなどの部屋で撮っているのであれば日常の感覚が凄いです。
ですが一方で島に行って撮ったり、移住で性に乱れた街へいってしまって日々エッチをしなくてはいけないといったような設定もあると思います。こういうのはロケ費がかかる都合でしょうけれど、漫画の方が多い印象があります。
例えば、巻貝一ヶ氏の『人妻蹂躙島』(楽楽出版)や、火愚夜氏の『フタナリ島〜The Queen of Penis〜』(キルタイムコミュニケーション)、たねなしくりぼ氏の『監獄調教島』(ジーウォーク)などなど。特定ジャンルの島や、宗教行事で性的に乱れ…といったコンセプトのものが多く見られます。
同人誌も「ハーレム島」「漂流して……」などのテーマをよく見かけますね。ちょいエロなラブコメ漫画だと『ながされて藍蘭島』(エニックス)、ホラーの中にエロ系がある漫画としては『彼岸島』などが有名です。(ゾンビなどホラー・アクション系も島ネタが多いですね)
わざわざ島に行かないでも、普段の日常でいいのではないかと思ったりするかもしれませんが、こういったことも実は夢があって性癖に刺さることもあるのです。
【2】なぜ島ネタを使うか考察
島ネタを使う理由というのはいくつかあると思いますが、どういう理由で島ネタを使っていることが多いのでしょうか。いくつか考察として出してみました。
(1)狭いから独文化があってもおかしくない?
狭い場所や離れた土地というのは、そこ独自の文化があってもおかしくはないですよね。例えば一夫多妻制といったものであったり、その逆のパターンもあるかもしれません。
そういった場所の特徴というのは人が少ないということがあります。もしその島では人が少なく常に子供を産むときは、というような設定があれば想像はとてもつきやすいですよね。狭いからこそ、他との情報交換が行き届かず、独自の文化があるというのは可能性としてはあるのではないかと思います。
また、その文化は、我々が知る由も無い…と考えても違和感がありません。
(2)昔は性に乱れていたから田舎で残っている設定?
古くから残っている「今ではありえない文化」が根付いている可能性だってあります。今となっては規制なども厳しく、気軽にエッチをしたいと思ってもできないですが……。特に、田舎では子供も少なくのびのびと生活できるほか娯楽もあまりないので、こういった性行為に対して盛んな地域も多くありました。
実際、昔の日本は盆踊りが乱交の場としての意味合いもあったりと、エロがオープンだった印象がありますので、島で文化が残っていて…という展開はリアルに思えて、「(現実にはないとわかっているけれど)どこかで、あるかもしれない」と、ファンタジーの中にある妄想の余地を楽しんでいるのかもしれません。
「地域全体で育てる社会だから性に乱れる生活」というのも、今のような核家族社会ではありえないと思ってしまうかもしれませんが、もしかすると世界を探していたらある可能性もありますよね。そういった設定として、島ネタを使うこともあるのではないかと思います。
(3)リアリティを重視する男性が多い
島にリアリティを見出すことまでは推察できましたが、なぜ、わざわざ島にしてまでリアルが求められるのでしょうか。ファンタジーと割り切れる、例えば「異世界冒険者」をテーマにしたものなら(基本あってないようなものですが)ストーリーを楽しみつつ、割り切って読み切ることができます。
しかし、「会社のオフィスで残業していた上司に迫られて」というテーマの場合、「仕事関係しかないプライベート出会いもしないような上司が迫ってくることはありえないのではないか」「仕事の場なのにオフィスの机を汚すことがあっていいのか」と野暮なことを考えてしまい、集中できなくなってしまう人もいます。
あるいは、「歯医者で診察していたら、女性歯科医が発情し始めて……」というテーマなら、「いきなり勤務中に、見ず知らずの人に発情してキスやその先までし始めるものか」「他の医者が気づかないのか」「そもそも、お金をもらって歯を治しに来たのではないか」と様々なツッコミが生まれてしまいます。
本来、性欲を解消するために見始めたものだったにもかかわらず、目的を達成できなくなってしまうこともあるでしょう。最低限、解消を遂行できるだけのリアルさを重視する男性は多いのです。
(4)適度なファンタジー性
適度なファンタジー性も人気の要因としてあるでしょう。あり得ないことでも設定をつけることで想像がしやすくなります。
例えば、性行為をすることで長く生き続けることができるといった願掛けという設定でするようなこともできますよね。作品例としては、島ではありませんが『パラレルパラダイス』(ヤングマガジン)などもそういう設定で、やはりファンタジー系です。
先ほどはリアルさを重視するといいますが、もし矛盾が生じても、実在しない島という適度なファンタジー性があることで、「まあ、ファンタジーだし」と余計なツッコミや野暮な考えを「一旦置いておく」ということができるようになります。
(5)男の夢でもある?
この様な場所に行くのは男の夢でもあるのではないかと思います。普段からエッチをしたい、アダルト作品を見るだけでは満足しないという人は、妄想でこの様な場所に行って解放感に包まれながらしたいと考えていることもあるのではないでしょうか。
島なら開放的な海、山という自然豊かな地や(設定として加えれば)あまり機能しない自治警察による自由は、男の夢でもあるかもしれません。
また、島という小規模単位なら、「多くの種子を残したい」という男性本能に則って、「全ての女性と関係を持つ」ということも実現性が出て来ます。
(6)エッチな日々を送りやすい
エッチな日々を送りたいと思っている男性は多いです。島ネタというのは毎日のように性行為をしているというような設定が盛り込まれていることが多いです。
他にも乱交といったもので島ネタを使ってするようなこともあると思います。
独自文化、古い風習などを加味すると、エッチな日々を送りたいと思っている男性のために、「外野から規制を受けにくい」島ネタというのもどんどん増えてきているのではないかと思います。
(7)周りを気にしなくて撮影をすることもできる
島ネタが多いというのには、男性の欲望とは別に現実的な理由もあるのではないかと考えます。それは、漫画では無い動画作品に言えることですが、周りを気にしなくて撮影をすることができるという点です。
簡単に言えばアダルトな作品を撮るにも場所などを考えないと一目についてしまいますし、許可取りや自社スペースをそれっぽく見せるのは結構、骨が折れることでしょう。
こういった島ネタの場合は、無人島やスペースで貸切できる島など人が本当に少ないという場所で撮ることが多いはずなので、そういった意味でも使いやすく作品が比較的作りやすいのでは無いかと思います。
【3】まとめ
アダルト作品に島ネタが多い理由というのは他にもあるかもしれませんが、考えられるものとしては設定が作りやすかったり、見る側としても想像をしやすいというものがあるでしょう。
作品が作られて実際にそれを見て想像をして抜く人が多いためまた作品が作られ…と発展していき、需要がどんどん増えてきているのではないかと思います。
(MAGI・Amy共著 杉本レイ/イラストレーター)
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