Xジェンダーやトランスジェンダーのトイレ事情 苦しい理由や見た目問題

Xジェンダーやトランスジェンダーのトイレ事情 苦しい理由や見た目問題

Xジェンダーやトランスジェンダーがトイレを利用しにくい現状はよく耳にすると思いますが、具体的な理由をご存じでしょうか。結構複雑な問題ではないかと思います。

【1】存在が知られつつあるとはいえ…

LGBTというものが少しずつ世の中に知られつつあるこの頃ですが、やはりまだまだ難しいなあと考えているトイレに関わることを少しばかり考えていこうと思います。

というのも、この関連の話題は昔からあまり進展していないような気がするのです。定期的にそれにまつわる悩みやトラブルが起こるといいますか。理解が深まるかどうか、だけではない話のようにも見えるのです。

【2】トランスジェンダーやXジェンダーの人が直面する悩み

肉体の性別と心の性別に違和を持つ人にとって、外出先でのトイレというのが地味に悩み所というのはよく聞く話です。人間として使わなければならない場所であるものの外にあるトイレというのは、肉体の性別を否応なしに意識させられるという場所というわけです。

「それなら手術でもして心の性別に合わせればいいじゃないか」という人もいらっしゃるでしょうが、例えホルモン投与でも性別適合手術でも高額ですし、それに合わせた社会保障も薄い上にまずLGBTに関わる社会制度に難のある現代においてそれは暴論になります。

また、性別適合手術をしたとしてもその後のメンタルが不安定になり当事者の自殺も少なくはないのが現状ですから、一筋縄でいかない話と捉えていただきたいのです。さてどうしたらいいものか、と考えていくのが現代に生きる私たちの課題のひとつでしょう。

【3】とりあえず見た目をどうしたところでという問題

とはいえ、服装等で心の性別に合わせて外出や生活をしている人もいますよね。では、そうした人ならば心の性別に合わせたトイレに入れるのか……といいますとこれもまた少々難しいと思われます。

完全に誰が見ても性別を間違う、つまり女装にしろ男装にしろそうしたもののレベルが高いのならば入れるかもしれませんが、それは不可能に近いお話です。元々の骨格など根本的な部分で女性男性の体つきというのは違うので、全ての人の目を誤魔化す異性装というのは誰もが出来るものではないんですよね。完璧なつもりでも騒がれたらどうしようという懸念が残りますし……。

また、これは趣味を含め異性装やジェンダーレスな服装をしている人でもある話なのですが、服装を肉体の性別から離したことで「周りが混乱するのでどちらのトイレに入るべきか」という悩みも出てくるのが実状だったりします。それこそ奇異の目で見られてしまうのならば、見た目をどうにかすればいいという解決策は解決策でなくなってしまうのです。

【4】多目的トイレでさえも

あれこれと悩んだ当事者の方々が出す答えのひとつとして、「多目的トイレの利用」というものがあります。確かにこれならば男性用にも女性用にも入らなくて済みますし、精神的な負担は減りますね。

とはいえ、ある程度年月の経った建物には多目的トイレがないことも多いですし、人々の認識として「多目的トイレ=身障者用トイレ」のようなものがあり、「目で見えない問題を抱えている人が使うものではない」という思考から使用を止められることもあります。

あと、あったとしても単純に数が少ないですよね。多目的トイレって。これは身障者の方と少し重なる問題ではあるのですが、分かりやすい身体障害を持っていない身障者の方も「身障者らしく見えない」ということで苦労させられたりするそうで。「何も知らない第三者」に振り回されるのは何処も似たようなものなのかもしれないですね。

【5】まとめ

LGBT関係の理解が広まりつつあるとはいえ、外出先のトイレという日常の根本的な部分において未だ選択肢が広がらないといいますか、折り合いの付け所が見付からないのは色々な思考や物事が重なり合っているからなのかもしれません。

また、少し誤解されれば不審者として扱われかねないセンシティブな部分というのも原因のひとつでしょう。

多目的トイレがもう少し増えて、そしてセクシャルマイノリティ含め「目には見えない何かを抱えている人」が気兼ねなく使える状態が実現しやすい理想像なのではと思っていますが…是非とも色々な方の意見を聞いてみたい話題です。

(シキ/ライター)

記事を拡散する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です