恐らく、何かしらのセクシャルマイノリティに属する方ならば多かれ少なかれ似たような経験であったり、似たような思いを抱えていらっしゃる方は多いと思います。
同性愛者の方、トランスジェンダーの方、筆者のようにその他の枠の方……恐らくそれぞれに少しばかり違う経験があるのでしょうが、少し昔話をしたいと思います。
【1】学生時代のひととき
自分がセクシャルマイノリティの何処かに属するとは分かってはいても、具体的に何処かと言えなかった時期があります。
何処かに属したいと思う気持ちとそれが見付からないという間でふらふらとしており、今では「なんか多分この辺です」と開き直りのような適当な位置にいる自分を認められるのですが、まだそう出来ない時があったのです。
高校時代から専門学校時代がそうでして、「分からないもの」を抱えつつも出来るだけ学生時代を楽しみたいとどうにかこうにかやっていたのですが、半端にセクシャルマイノリティの自覚を持っていたので人間関係に悩むところが多くありました。
【2】恋愛関係以外の関係も欲しいのに…
周りが恋愛事に興味を持つ年齢だと、「どうやら自分もそうした感情を持っていて、それを周りにアピールしないとダメらしいぞ?」という不安を抱えることになりました。
本当はそこまで興味はないけれど、そういうものを持っていない自分が余計に異物に思えたんですよね。正直、恋人よりも気兼ねなく話せる友人の方が欲しかったのですが。
そしてまた、ここで半端に自覚を持っていたことが私を戸惑わせました。「ある程度性自認に違和感を持つ身で、男性のみを恋愛対象にしているわけではないらしい」という身だからこそ、友人の作り方が分からなくなってしまったんですね。
【3】誤解をされやすい私達
「誤解をされやすい」とすると少し語弊があるかもしれませんが、実際「恋愛対象として見ないでよ」等という言葉を何度も浴びてきた、豊かな人間関係を築きたくても難しいという意味で使わせていただきました。
私の場合、服装やその他の趣味が合い、またセンスが非常に良い女の子の同級生がそうでした。専門学校に通っていた頃で近くに地元の友人も居らず、趣味が合う人物がなかなかに少なかったこともあり仲良くなるのは早かったのです。
ですが、私が少なくともマジョリティ側ではないこと、友人としての好意なのか恋愛感情としての好意なのかを随分悩ませてしまったようで、卒業してから会うことはありませんでした。
【4】「様々な好意」を伝えるのは難しい
今、当時を思い出しつつ書いていて思うのは「恋愛以外の好意を伝えるのは案外難しい」ということでしょうか。
勿論、感情というものは受け取る側がどう取るかというものもありますから一概にこれだという答えは出ないのですが。
それでも、親愛の情を伝えるだとか恋愛以外の好意というものを伝えていきたいけれど、伝えると恋愛の情と勘違いされてしまうことは往々にしてありますから……(これはマジョリティの方々でもそうですね)。
何かしら別の方法を考えたりするべきなのかもしれないとも思っています。
【5】まとめ
今回、久々に過去のことを思い出して色々なことに藻掻いていた当時の自分と改めて向き合う時間が出来ました。
他にも筆者と似たような経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
パートナーを探すというより、もしかしたら友人を作る方が難しいのかもしれませんね……。
(シキ/ライター)
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