結婚相手や相手の家族が精神障害などを抱えているケースは少なくありません。「彼氏、彼女のことを好きだけれど、結婚生活を楽しく送ることができるのか」と心配になってしまう人は多いようです。筆者の周りでも、多く症状を抱えた人が結婚生活を送っています。そこで、症状ごとにリアルをお伝えします。
【1】結婚相手や親・兄弟に精神障害者がいるってどうなの?
現代は昔と比べて精神的な病、統合失調症、ADHD、双極性障害、鬱、社交不安障害等が精神科などに受診し、病気として認められることが多くなりました。
ひと昔前は精神的に辛いと言えばすべて甘えだと捉えられていて、本当に精神障害を抱えている人達にとってはとても生きにくい世の中だったと思います。
一方で、結婚する相手の家族にこれらの精神障害を抱えている人がいたとするならば、どうでしょうか?
見極めが難しく、実はこれらの症状があるのにわざわざ病院に行ったことなんてないという人も多数いるでしょうし、軽い症状でも通院している人もいるでしょう。
程度によっては全然許容できるケースもありますし、逆にとても重い症状だと周囲がとても辛い思いをするケースもあります。
【2】精神障害者がいる家庭と健常者の結婚…症状ごとの実例
程度によっては全然許容できるケースもありますし、逆にとても重い症状だと周囲がとても辛い思いをするケースもあります。今回は筆者の知るご家庭をご紹介しますので、悩んだ際にはご参考ください。
(1)事例1:親の反対なく結婚し幸せなADHD
私の男友達の結婚相手の兄弟にADHDの人がいるようで、この方はきちんと診断も受けているようです。しかし個人経営でものすごく稼いでいる方で、会話するぶんにもとてもなんの問題もなく、むしろ頭がよくて話すと勉強になるようです。
本人も結婚していて、お嫁さんも幸せそうで一緒に生活する分にもなんら問題ないのかもしれませんね。ADHDにかかっている人はとても多くて隠れADHDの人も多く、そこまで生活に支障がないので精神科にかからない人も多いです。
(2)事例2:日常生活でフォローが必要なADHD
また、別の方では比較的重いADHDを抱えている女友達もいます。この方も個人事業主として自分で全て決断することで高年収に至りました。
ですが、日常生活を送る上では注意欠陥で失敗することや気づかないことが多く、旦那がフォローしているそうです。
旦那の方は、付き合いが長いこともあり自然と協力していて、「誰でも得て不得手はある」と妻にもフォローされていると感じているようです。
(3)事例3:年金・生活保護では足らず支援する生活の統合失調症
こちらも知人のお話ですが、結婚相手の父親が重度の統合失調症で入退院を繰り返しているケースです。統合失調症というのは、幻聴や幻覚がみえたり被害妄想が強くなったりとひどくなるとはたからみて本当に見ていられないような人です。
働くことができないため障害者年金を受給しているようですが、それでも生活費が足りないということで毎月一定額仕送りもしているそうです。
対面しても過去にひどいことを言われたということでその知人は毛嫌いしており、今は一切顔も合わせないそうです。同居なんてとてもできない状態ですね。
(4)事例4:感情で振り回してしまうことがある統合失調症
比較的軽度なものの統合失調症を診断されている女友達は、自分の母親も統合失調症と鬱を抱えているそう。母親の方は自身の旦那を快く思っておらず、旦那は単身赴任、妻は週5・7時間のパートタイムと生活保護で生活しています。
女性の方は、母親と共同生活を送るのがきついと思っていたため、付き合っていた男性と同棲を経て結婚。かなり反対され、説得には骨が折れました。
現在は、統合失調症の症状に悩まれ、旦那を振り回してしまうことがあるようですが、自覚症状があるようで、「やばい」と思った際には距離を取る形で付き合っています。旦那がとても大らかな性格で、その女性のことを理解しているため、幸せな生活を送れているようです。
(5)事例5:恋人の協力を得ながら家事をする鬱と双極性障害
友人の結婚相手の母親が鬱と双極性障害なのですが、たまに孫をみせに帰省した際はごく普通の方だそうです。
ただ友人の実の息子からみると同居すると、少し落ち込みやすい面や変わった面があるとのことで、嫁さんもきているといことで頑張って一時的にまともな状態を保っているのかもしれませんね。
ちなみにこの母親はパートはちゃんとしていて、家事も旦に協力してもらいながらなんとか生活をしているそうです。別居で自分に配慮してくれる方ならば、なんら問題はなさそうです。
(6)事例6:扱いにすっかり慣れた妻と生活する躁鬱
私の女友達の旦那に、躁鬱の人がいます。付き合った当初は「誰かに◯される」という被害妄想がひどく、本気で海外に逃げようとしたり、防具を用意しようとする姿を見て戸惑っていました。
しかし、共感しつつも行動に移させないようにして数日付き合うと、すっかりその時のことは忘れたように振る舞うため、すっかり扱いに慣れたそう。旦那も「マジでひどいよね」と申し訳なさそうにしながらも、2人で仲良く過ごせています。
逆に躁になると、なんでもできるような気持ちになり、時には喧嘩や問題を起こそうとするため、妻がストップをかけることに専念しているとのこと。
不思議なことに、実家を出てストレスが減ったのか、あるいは理解ある妻と幸せに暮らしているからなのか、以前と比べて躁鬱の症状は落ち着いており、以前よりも妻もストレスなく生活を送れているとのことです。
【3】まとめ
やはり精神疾患といっても人によって度合いがありますし、精神障害者でないからといって、良い人とも限らず意地悪な義両親で苦労することもざらです。
ですが、それが病気として認められている人の場合は特に、一緒に生活する中でなんらかのストレスを抱えなければならないかもしれません。しかしそれを理由に結婚をしないというはどうかと、筆者個人は思います。
結婚すると様々な問題があり本当に人畜無害な人間なんて存在しないのですから、お互いに協力しようという気持ちを持つことも大切ではないでしょうか。しかし、ストレスで幸せになれない選択肢をしないよう、よく考えなければならないのも事実ですね。
(杉並ももこ/ライター)
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