誰かと愛し合っているとき、自分のことが「一番」好きかどうかは多くの人が気にしてしまうことだと思います。恋人とは「一対一」で関係を築くことで、複数人と深い関係を築いていたら「浮気」ということになりますよね。
しかしこれは「モノアモリー」(一人だけを愛する)という価値観に則った考え方なのです。今回はその対義語である「ポリアモリー」について当事者が紹介します。
【1】ポリアモリーとは?
ポリアモリーはざっくりまとめると以下のような感じです。
- 同時に複数人の人を愛し、関係を築くこと
- それに関係者全員が同意していること
日本語では多重恋愛と言います。ポリアモリーは人によってスタイルや在り方が異なりますが、上記を満たしていればポリアモリーと言えるでしょう。
「ポリ(複数)アモリー(愛)」という意味からは「関係者の同意」というニュアンスは伝わってこないかもしれませんが、ポリアモリーは本人の特性であると同時に「愛し方」「関係の築き方」の話でもあります。ここがLGBPなど「誰を愛するか」という志向の話と違う部分です。
片方だけがポリアモリーを実践していて、もう片方がそれを知らずにモノアモリーの価値観の中にいると、モノアモリーからしてみたらただの「浮気」になってしまいますよね。ですから、倫理的にも、関係者全員が納得していることが大切なのです。
【2】複数人を同じくらい好きなど…ポリアモリー診断
下記の項目に自身が当てはまればポリアモリーかもしれません。ポリアモリーは多様なので上記に含まれないタイプのポリアモリーもいますが一般的な例をご紹介します。
(1)本気で複数の人を同時に好きになった
今の恋人のことが大切なのに、恋人じゃない別の人も同じくらい好き。好きだと思う人が複数人いる。というのはポリアモリーです。
しかし、そのときたまたま自分の気持ちが複数人の間で揺れているだけなのか、本当にその人たちが好きでどうしようもないのかを見極めることが必要です。一時的に好きな人が複数人になったからポリアモリーだと判断するのは気が早いかもしれません。
自分がポリアモリーなんだと自覚して、関係者たちに話して理解を得た上で関係を続けるのは「モノアモリー」が普通の世の中では時にとても難しいです。その労力を払ってでも真剣に自分の思いを伝えて、わかってほしいと思うのであればポリアモリーとして生きる道が開けるでしょう。
(2)なんで好きな人を一人だけに決めなきゃいけないのかわからない
そもそも「一対一の交際契約関係」というモノアモリーになんとなく疑問を持っていた、自分には合ってないかもと感じていた人はポリアモリーかもしれません。
一人の人に恋愛感情を集中させず「本命を作らない遊び人」だと誤解されやすいタイプや、一対一で寄りかかり合って依存し合うより複数人と自立して安定した関係を築きたい、というタイプのポリアモリーもいます。
(3)ナンバーワン(一番)じゃなくてオンリーワン(順位を決められない)の愛がある
一人に決めるということは、人間関係に順位をつけるということ。例えば、Aさんを80%好きで、Bさんを50%好きだから、Aさんの方が好きだ、のような感じです。しかし、これはそれぞれに同じ「好き」を当てはめられる場合に限られます。
AさんへはAさんへの、BさんへはBさんへの「好き」があってそれらは別のものなので比べるということが不可能、というタイプの人もポリアモリーと言えます。ちなみに筆者はこのタイプです。
バナナは1房、2房と数え、本は1冊、2冊と数えるように、一口に「好き」と言っても性質が違えば数え方も変わってくるのでバナナと本を一つの物差しで比べられない、というような感覚です。
【3】まとめ
ポリアモリーはセクシャルマイノリティの中でも認知度が低く、理解されにくい性質の一つです。
同じポリアモリーでもスタイルは様々で、先入観を捨てて考えてみることが必要になります。
(illy/ライター)
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