性同一性障がいとトランスジェンダーは違う? 違いや治療方法を解説

トランスジェンダーと性同一性障がいの違い

性同一性障がいとトランスジェンダーは異なります。

違いを解説していきます。

 

【1】性同一性障がいとは?

ドラマ「金八先生」で性同一性障がいの生徒が登場したことで性同一性障害を知ったという方は多いかと思います。

性同一性障がいとは「出生時に割り当てられた性別とは異なる性の自己意識を持ち、身体的性と違和感を覚える状態」のことを指します。

では、トランスジェンダーと同じでは?と思う方は多いでしょう。確かに広い意味ではトランスジェンダーと同じ意味であるところもありますが、性同一性障害は医学的用語になります。いわゆる医学的診断名であり、トランスジェンダーと同じようで違うのです。

アメリカの精神医学会では「性別違和」や「性別不合」と呼ばれつつありますが、日本精神神経学会では診断名としては「性同一性障がい」を使用しています。

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【2】性同一性障害の治療

体と心の性を一致させたいという場合には、どんな治療があるのかご紹介していきます。

(1)ホルモン療法

当事者の身体的な性と反対の性ホルモンを投与することで、身体的特徴を心の性に近付ける治療法です。

ホルモン療法は身体的特徴を本来の心の性に近付けることが出来ますが、副作用が大きいという難点もあります。そしてホルモン投与だけでは完全に身体的な性を心の性に合致させることは出来ません。

ですから、性ホルモンの効果と限界、副作用をしっかりと理解していることや身体の診察と検査を受ける18歳以上の人であるという条件があります。

(2)性別適合手術

心と体の性を合致させる治療法として多くの方が真っ先に思い浮かぶのは、性別適合手術かと思います。

心の性に合った体になるために、手術で心の性と同じ性器を作ると言えば分かりやすいでしょう。

しかし性別適合手術には大きなデメリットがあります。心と同じ性の性器を手術を形成しても生殖能力を永久的に失うことになります。手術後にホルモンの分泌が無くなるので、更年期障害が発生したりします。なのでホルモン投与を続けなければいけません。

(3)心の方を体の性と一致させることはあるのか?

身体を心の性と一致させる治療をご紹介してきましたが、逆に心を体の性に一致させる治療はあるのかというと、現実的、倫理的な理由で行われていません。

過去の治療の歴史において、心の性の方を身体的な性に一致させる治療は成功した例がありません。

そして心の性を身体的な性に一致させようとするのは当事者の人格を否定することに繋がりますので心を身体的な性に一致させる治療は行われていません。

【考察】 トランスジェンダーは生育環境に左右することがある?

 

【3】まとめ

性同一性障害についてとその治療法に関してご紹介してきました。

ここまでで「やっぱりトランスジェンダーと同じでは?」と考える方もいらっしゃるかと思います。

トランスジェンダーの方全てが身体的な治療を望んでいる訳ではありませんので、完全に「トランスジェンダー」=「性同一性障がい」という訳ではありません。

性同一性障がいという名称を快く思わない方もいらっしゃるかと思います、日本でも「性別違和」という新しい診断名を用いる動きがありますのでそちらが診断名になっていくと良いかと考えます。

(みなと/ライター)

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