バイセクシャルは、女性も男性も恋愛対象であるセクシュアリティです。
パンセクシャルもまた、性別関係なく恋愛対象であるセクシュアリティです。
私はこのどちらなのかわからず、またどちらとも名乗っていません。その理由についてお話ししていきます。
【1】バイセクシャルか、パンセクシャルか?
筆者は女性にも男性にも恋愛感情を抱きますが、自分がバイセクシャルなのか、パンセクシャルなのかをはっきり名乗っていません。
なにより、そもそも自分がどちらに当てはまるのかはっきりわかっていません。
なぜわからないのか。そして、なぜ名乗らないのか。その理由についてお話しさせていただきます。
【2】わからない理由と名乗らない理由
私がバイともパンとも明言しない理由について、3つの観点から解説していきます。
(1)そもそもパンセクシャルを知らなかった
筆者は長年、自分のことをバイセクシャルだと思って過ごしてきました。パンセクシャルを知ったのはここ1〜2年のこと。
その違いは下記であるよう。
- バイセクシャルは男女どちらも好き
- パンセクシャルはセクシュアリティ関係なく、好きになった人のことが好き
ふたつを分けるカギは相手の女性的・男性的な部分に惹かれているのかどうかだと筆者は解釈しましたが、かといって肝心の部分には確信が持てませんでした。
自分はバイセクシャルではないかもしれないという可能性が生まれたので、バイセクシャルだと名乗るのをやめました。
(2)「全性」に含まれる、第三の性
パンセクシャルの意味は「全性愛」。男性・女性に限らない、すべての性を愛するという意味です。すべての性にはトランスジェンダーやエイジェンダーなど「第三の性」も含まれます。
筆者は人生の中で第三の性だと公言している人と出会った回数が数えるほどしかありません。そして、まだ第三の性の方と恋に落ちたこともありません。
きっと魅力的な第三の性を持つ人に出会えば、好きになることはあるのでしょう。これまで好きになった人が第三の性だったとしても、変わらず好きだっただろうと思います。しかしどれも自分にとっては机上の空論でしかなく、現実味がありません。
自分の経験からはパンセクシャルだと断言できるほどの材料がなかったため、パンセクシャルだと名乗るにも至りませんでした。
(3)言葉の解釈の問題
LGBTQの活動家の中には、バイセクシャルの元々の意味はパンセクシャルのように包括的だと定義する人もいます。しかしパンセクシャルを名乗る人の解釈はそうではありません。このようにバイセクシャルの定義は、人によって大きく違います。
パンセクシャルが広く知られるようになった近年では、バイセクシャルは2つの性しか受け入れない排他的なものだという批判もあるそうです。
仮に自分がバイセクシャルだと自覚したとして、自分のセクシュアリティを差別的かのように批判されるのは面倒です。だからといって、批判されることを避けるがためにパンセクシャルと名乗るのも、おかしな話です。
いまはまだどちらかわからないので、どちらとも名乗っていません。もし自分のセクシュアリティがどちらなのか自覚が出来ても、混乱の渦に巻き込まれたくはありません。そのためこの先もはっきり名乗ることはないだろうと思います。
【3】まとめ
自分のセクシュアリティを明確に自覚できる日が来るまでは、どちらでもない曖昧なままでもいいのではないでしょうか。なにより、はっきりとした自覚がない現在でも、困ることはほとんどありません。
セクシュアリティによって自分のアイデンティティが決まるわけではありません。定義に固執せず、自分や他人の在りかたを受け入れたいものです。
(Shano編集部)
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