皆さん、赤字に白十字の「ヘルプマーク」をご存じでしょうか?
私は、障害者であるので、少し配慮をして頂きたいと思う時があります。例えば、どうしても気分が悪くなって、優先座席に座らせて頂きたい、歩行障害があるので、本当につらいという時等なのですが、その旨を会社の保健師さんに相談すると、良いものがある、と「ヘルプマーク」を頂きました。
ラバーメイドで可愛く、カバンの取っ手にキーホールダー感覚でつけることが出来るものです。たまに、お持ちの方を見かけたことがあるかも知れませんね。その人たちは何らかの障害を持っていることが多く、出来たら電車の優先座席などを譲っていただけたら嬉しいと思います。
【1】「ヘルプマーク」の効果がないと感じる日々
自称ポンコツの障害者の私ですが、残念ながらヘルプマークを付けていても、優先座席を譲って頂いた事は一度もありません。
私のみならず、障害者というのは余り認知されていないかも知れませんし、最悪の場合、「障害者は家からでるな!」などと言われたりもします。友人は歩いているとそう怒鳴られました。
マイノリティーとして、中々世の中からは障害者は「煩わしい」存在のようで、悲しい事件と言えば、障碍者施設「やまゆり園」(相模原障害者施設殺傷事件)で、障害者は生きる資格などない、とその施設で以前勤務していた人間が施設入所者の障害者を刺殺する、という恐ろしい事件までありました。そんなに、「障害者」は疎ましい存在なのでしょうか?
ある日私は電車に乗っていましたが、その時は運よく私が乗った時は優先座席は空いていました。しかし、その後両手に杖を持ち、膝をがくがくとさせながらどう見ても障害者もしくは、「ヘルプが必要な人」が乗車されました。
しかし、スマホをいじって股を開いて優先座席に座っている健常者と思しき若い男性は、その体が不自由な方に席を譲る気は毛頭ないような感じでした。
【2】誰だって障害者になりえる
筆者は35歳まで普通に「健常者」でしたが、ある事がきっかけで障害者となり、そして今に至ります。
障害者手帳を申請し、そして、働けない身となった私は周りから勧められたこともあり、障害者年金を申請し、私の場合は“運よく”受給されました。障害者枠で雇用が決まるまでこの年金のおかげと細々としたアルバイト(障害者年金を受給しがらも、ある枠内で仕事をすることは法的に許されています)をしていました。
医師からは年金は通りづらいだろうから、生活保護を申請しなさいとまで言われましたが、その最悪のシナリオは避けられた形です。そして、人一倍元気な“裕子ちゃん”は、思いのかけず障害者となったのです。
子供のころからは、いつも元気な裕子ちゃん、そして、仕事も外資系金融企業にて毎日バリバリと働く日々、そんな私がある日をきっかけに“障害者”となってしまいました。私は事故ではないのですが、障害者となり、障害者枠雇用で働き、細々と暮らしています。が、障害者友達と話すときは「障害者になるなんて思ってもみなかったよねー」とよく話したりも致します。
【3】ちょっとした配慮とヘルプが必要な私たち
私は足を現在歩行が困難な状態あるのですが、何とか通勤し働くことができているのですが、通勤時にいつもすれ違うおばあちゃんに気が付きました。そのおばあちゃんも足が悪いのか、ゆっくり、ゆっくりと足を引きずりながら坂を上っていくのです。
私はそのおばあちゃんを見て思いました。年を取ることにより障害者になり得るという事も。よく考えれば筆者の亡き母も難病指定のパーキンソン氏病により「障害者認定」をされ、100人の方が特養ホームに入所待ち、と言われましたが…特養ホームに優先で入れて頂くことが出来ました。
年を取ると病気にもなり、思わぬ時点で「障害者」になり得るのです。そんな自身のイメージがわきますでしょうか?
【4】まとめ
自身、家族、そして大事なパートナーがいつどんな事故・病気になるか分かりません。
そんなときに是非とも“ヘルプ”をして下さると私や病気、障害をお持ちの方は大感謝することでしょう。お互いに優しくし合える社会になっていくことを願っています。
(田中裕子/ライター)
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