前回はギフテットが抱えがちな悩みに触れました。また、前々回はギフテッドの恋愛についてお話ししました。
ようやく、どんなマイノリティか見えてきたかと思いますが、今一度整理すべく、ギフテットがどのようなものか解説します。
【1】多重マイノリティであるセクシャルマイノリティのギフティッド(gifted)
ギフティッド(gifted)と呼ばれる人たちは、定義によって前後しますが、全人口の2%程度のマイノリティです。
世界ではギフティッド(gifted)支援が法制化されていますが、残念なことに日本では教育現場や行政組織から「存在しない人たち」とされています。
ギフティッド(gifted)同士のコミュニティの中でもセクシャルマイノリティは少数派ですし、セクシャルマイノリティのコミュニティの中でもギフティッド(gifted)は少数派です。
さらに、アスペルガー症候群やADHD、識字障害などの発達障害を併せ持つギフティッド(gifted)の場合、生活の困難も抱えながら共に少数派として「多くの人たちから見えにくい」存在になってしまいます。
そのため、日本以外の先進国では、「多くの人たちから見えにくい」セクシャルマイノリティのギフテッドに対する支援が進んでいます。
【2】ギフティッド(gifted)であるが故の「生きづらさ」
ギフティッド(gifted)の特徴は生まれた時から高齢になっても続きます。多くの特徴がありますが、特に次の特徴があげられます。
- 並外れた注意力
- 大量の情報保持・記憶力が良い。
- 並外れた感情の深さ・過敏さ。
- 幼少期から理想主義と正義感が見られる。
- 高度な知的好奇心
素晴らしい特徴ですが、なんの支えもない場合は、学校などの組織内で孤立しがちです。
ギフティッド(gifted)であるというだけで、幼少期からの心理的ストレスが大きく、自死リスクが高いために早期の支援が必要とされます。
参考
ジェームス・T・ウェブ他『わが子がギフティッドかもしれないと思ったら』(2019)p31
【3】ギフティッド(gifted)がセクシャルマイノリティだったら?
従来、ギフテッド(gifted)は、社会が押し付けたジェンダーステレオタイプに疑問を持ちやすい傾向があります。幼い頃すでに疑問に思い始めます。
しかし、その一方で強い記憶力と、豊かな感受性、爆発的持続的な知的好奇心、高い正義感が相互に作用し、ギフテッド(gifted)は、いじめや差別に対しても、幼い頃から人一倍心を痛めてしまいます。
海外では「当然の権利である」同性婚ができるようになってきましたが、残念ながら日本では差別主義者による妨害やヘイトスピーチ、周囲の無理解等が目立ちます。
また、セクシャルマイノリティのコミュニティ内でも、その脳特性により孤立しがちです。
【4】まとめ
これらのことを考えると、セクシャルマイノリティのギフティッド(gifted)を孤立させないことに注意する必要があります。
日本においても、理解が深まることを願っています。
(LIE/ライター)
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