筆者をセクシャルマイノリティの何処に配置するか、と聞かれればFtXと答えるのが一番適しているのだと思います。
そして、FtXだからなのかどうしても手元に集まるのはFtX側の情報であり、MtXの方にお会いすることも情報に触れられることも非常に少ないのです。
もしかしてこれは、ひとつの問題として存在するのではないかと考えてこれを書いています。
【1】そもそもXジェンダーとは?
Xジェンダーもある程度浸透しつつあるのかな、と思っているのですが、どうも名前だけといいますか「トランスジェンダーだけじゃなく、どうやらXジェンダーという人もいるらしいぞ」というような認識のように窺えます。
実際そうした人に出会わなければ分かりにくいでしょうし、出会ったからとて「性別がどちらでもない」「性別がいらない」というような考え方の人物に出会えば「どういうこと?」と頭に疑問符が浮かぶことと思います。
けれど、それがXジェンダーなのです。人によって性別のさじ加減が違う人を大きなくくりにしたといいますか、性別が流動的である人もいますので正直なところ「日常生活の衣服について困る人」でもあります。筆者がそうなので……。
【2】女性側に近づこうとするには厳しい男性社会
他のセクシャルマイノリティより性自認という話ではふんわりとした話しか出来ないというのがXジェンダーの困り事、のようにも思えるのですが、トランスジェンダーの方とはまた違う……言うなれば「割り切れなさ」が当事者以外の方々を混乱させているのは自覚しています。
筆者の場合、女性的な服装やメイクについて「出来ない日はそういう日」として考えたりすることが出来ますし、基本的にある程度のメイクが必須な女性の肉体を持っている場合、それをしないという選択肢をもぎ取ることも可能ではあります。
ですが、元の肉体が男性の場合女性的な衣服を探す所から周囲の目線は変わりますし、メイクをするとなれば「どちらでもない性」であることをいちいち説明しないといけない可能性が高いですよね。
そして社会というのはまだまだ多様性が発展していませんし、職場や所属する場によっては一昔前の男性的社会構造をしていることがあります。そうなってくると、これはこれで生きづらいなあと思うのです。
【3】メンズ向け化粧品は出始めているけれど…
最近、リップクリームでも多少血色よく見えるようにと色が変化するメンズ向けのものが出てきたり、肌を整えるコンシーラーもドラッグストアなどでも見かけるようになりました。
男性でも見た目に気をつかいたい、分かりやすい「化粧品」ではないものが欲しいというストレートの男性向け、というべきでしょうか。
確かに、そのデザインなども格好良く持っていても違和感はないでしょう。それなら、MtXの人もそれを使えばいいじゃないか……という人もいるでしょう。
一部の方はそれでどうにかなるかもしれません。が、性自認という人格の根っこの部分が「揺れ動く」「どちらでもない」が故にそれも微妙に違うような気もするのです。
幸い、最近はジェンダーレス男子などの流行りもありますからメイクをするということそのものについてのハードルは下がりました。
とはいえ、まだまだ周囲に認知されているわけでもないので日常的にメイクをするかしないかを選ぶのは難しいかもしれません。
【4】まとめ
MtXの方について思いを馳せていたら、気が付くとメイクのお話になっていました。
でもこれって、FtXでもMtXでも一定数抱えている悩みでもあり、またそれだけ周囲から分かりにくい立ち位置だからこそ出てくるものなのかもしれないとも思うのです。
周囲から認知されにくい、そして伝わりにくいからこそ話は飛ぶ。それほどに深掘り出来る状態ですらないような雰囲気といいますか。出来る事なら、MtXの方のお力を借りたい所です。
(シキ/ ライター)
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