全く理想としていなかった相手を好きになることもあります。特に婚活の場面では、あらかじめ相性が良い相手の条件等から相手を探すことが多いと思いますが、全く条件外の相手と結婚して後悔することはないのでしょうか。婚活経験のある人に、後悔するケースやしないケースについて取材しました。
【1】理想の相手と全然違ったのに…人を好きになった経験
理想の相手が頭の中にある人は多いですが、理想と全く反した相手を好きになることはあるのでしょうか。経験談を取材しました。
(1)嫌いなところから始まりギャップで…
「若い頃の話ですが、酷い男と友達が付き合っていたんです。なんか偉そうだし私も嫌いなタイプでした。友達と付き合っているのに私にもアプローチしてきたり……。友達が振られて腹を立てていたので、友情から私がその気になったフリして思い切り振っちゃおうみたいなことをやることにしたんです。
そして一回デートして、二回デートして、いつのまにか本気で好きになってました。嫌いなタイプだったのになんでだろう。意外と優しくしてくれたので期待感ないところからのギャップにやられたかもしれません」(Oさん/35歳・女性)
(2) フィーリングが合い磁石のように…
「理想と違うことがある? と聞かれて、『あるある!』って思わず叫んでしまいました。(笑) 理想はあくまで理想。普段女友達とガールズトークするときには、あれもこれもって理想の男性を論じたりするけど、実際はみんな全然違うタイプの人と付き合ってますね。
だって大事なのはフィーリングだから。女性は特に勘が鋭いから、本能や直感的に『好き』がわかってしまうのでは? 私も、好きなタイプと180度違うのに、なんとなく好きで離れられない…なんて磁石のような経験がありますよ。意外にそういう人の方が相性良くて長続きしたりね」(Mさん/46歳女性)
(3)異種族でもある!?
「実は、人間も動物でも恋に落ちるとき、何が起きているのか解明されていません。私もなぜその相手を好きになったのかわからないことばかりです。以前、こんなニュースがありました『タンチョウ、飼育員に恋心 求愛ダンス見せ抱卵任せる (日経新聞2020/6/30)』タンチョウは鳥ですから、当然、人間の飼育員は理想の相手ではなかったはずです。
しかしこの恋は一目惚れに始まり、10年続く本気の恋なのです。おそらくこのタンチョウは、他にタンチョウにこの恋を相談しても理解してもらえないと思います。タンチョウが人間に本気の恋をして10年愛し続けることもあるのだから、同じ人間なら当然、意外な相手に恋してしまうのではないでしょうか(Iさん/47歳・女性)
【2】理想・条件と違う相手と結婚すると後悔する?
理想と違い好きになることはありますが、そんな相手と結婚すると後悔するのでしょうか。「自分はこういう人と合う」という条件から外れていると心配ですよね。男女に意見を聞いてみました。
(1)ギャップに苦しまないからむしろいい
「理想の相手でないからといって後悔することはあまりないと思います。『理想を押し付ける』という言葉がありますが、理想と思って結婚する方が、その後のギャップに苦しむ事になると思います。
譲れない条件さえクリアしてあとはその人を好きになれるかという基準を満たせていればそこから先は二人の努力というか、まさにどう作り上げていくかなんだと思います。相手のせいではなく自分がどうしようとしているのかで結果は変わりますよ」(Hさん/48歳・男性)
(2)見た目はいいけれど条件はダメ?
「見た目に関しては、理想と違ってもまったく問題ないと思います。見た目は慣れるものだし、一般的には不細工なくらいのほうが飽きないっていいますよね。こちらもあんまりイケメンとかタイプすぎると緊張しちゃってくつろげなさそう。
ただ条件については、自分の中で優先順位をつけて整理してみて。絶対に譲れない上位3つくらいは妥協しないほうがいいんじゃないかしら。生活は長く続くわけだから、絶対条件だけは死守しないとのちのち後悔するかもしれないわ」(Mさん/42歳・女性)
(3)社会的なものはいいけれど恋愛対象ではないのはダメ
「日本の結婚制度では、性的同意がなくとも、夫婦間の強姦を強姦だとみなしません。もちろん同意のない性行為はDVの一つとして対処されることもあります。しかし、基本的に刑罰の対象ではありません。特に女性は一旦結婚すると『同意のない性行為』『同意のない妊娠』をし続けないといけない状態になる可能性があると言えます。
人間も動物も、好きではない相手との性行為は強姦と同じ心身のダメージを受けます。『理想・条件と違う相手』の意味が、恋愛対象ではない相手の意味でしたら後悔すると思います。性行為をしても良いと本気で思える相手かどうかが大事です。
『理想・条件と違う相手』の意味が社会システム上のもの(収入、学歴、国籍、民族、肌の色、ジェンダーなど国が勝手に作ったもの)であれば、所詮他人が作った指標にしか過ぎないため、後悔することはとても少ないと思います」(Iさん/47歳・女性)
【3】逆に自分が相手の理想に合わせることも!? 結婚後もやめられなくなったこと
「理想を押し付ける」という言葉がありましたが、相手の理想が強すぎると、幻滅されないように無理をし続けてしまうこともあります。結婚後も辞められなくなったことがある人に話を聞いてみました。
(1)料理大好き人間のフリ
「彼の元カノが手料理をあまりしない人だったんです。彼は家庭料理が好きだと言っていたので私も大して料理は好きでなかったのにいいところを見せようと料理好きをアピールしてたんです。『えー、どんなに忙しくても私は作るなぁ』って。
まんまと付き合い始めてからも頑張って料理を作って結婚した今も作り続けています。本当は仕事しながら料理もってすごく辛くてイヤなんだけどもう辞められない…はぁ」(Aさん/36歳・女性)
(2)家の中でも可愛い格好をする
「デートのときに気合を入れておしゃれをするのは、乙女心ですよね。いつも褒められていたので、手を抜く機会を逃してこの歳です。特に大変なのがパジャマ選び(笑)正直、彼がいなければ高校の時の短パンにTシャツみたいな雑な格好をしているのだけれど、結婚生活を始めたらそうはいかず。
彼の前で見栄を張ってきていた、可愛いモコモコパジャマやサテンのおしゃれな西洋っぽいパジャマを定期的に買い替えています。ボロボロになってまで着るってことができなくなって、出費が……」(Uさん/41歳・女性)
(3)見送りと出迎え
「見送りと出迎えです。付き合う前から、見送りと出迎えを頑張ってしまいました。デートの時は待ち合わせで早めに行ってお迎え、家に帰る時も電車の改札口でお見送りをしていました。結婚後、出勤する時や帰宅の時にお見送り出迎えするようになり、結婚後10年経っても辞められません。
やめるタイミングがない中で突然見送り出迎えをやめると『怒ってる?』と勘違いされそうですよね。あんまり頑張らない方が良かったなと思います」(Iさん/47歳・女性)
【4】結婚相手選びは慎重に!
なかなか良い出会いがなくても焦ってはいけません。後悔してからでは遅いのです。自分の理想の相手や相手の条件を無理に曲げずに、良い人と出会うのが一番です。
でも、高望みには注意。無理せず、慎重に出会いを探していきたいですね。
(山吹麗華/ライター Amy/編集)
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