人の恋の形はみんな違う……。
マイノリティなセクシャル「LGBTQIA+」に迫る本企画。
今回は、Aに当たるアセクシャルの私が、恋人に実際に言われた一言をご紹介します。
【1】恋愛感情がなくとも様々な形で愛を育むAセク
アセクシャルの人は恋愛感情と性欲がありません。そのため、恋愛という行為に価値を見出せない人が大半です。
しかし、中には結婚だけはしたい人や、恋愛感情とは別に様々な形で愛を育むアセクシャルもいます。
例えば、友情からの延長、人間的リスペクト、人としての好き……。
本能的に人を好きにならなくても、頭で人を好きになることはあるのです。
そこで、今回は、少数派だと思われますが、恋愛感情抜きに人を愛した私が、恋人に言われた衝撃の一言をご紹介します。
【2】本当にアセクシャルなの?
私は恋のドキドキ感やムラムラ感というものがなく、結婚を見据えた恋愛以外、娯楽だと思っているので、実のところ恋愛に興味がありません。
しかし、そうした中で仕事上で出会い、人間的にリスペクトをした男性がいます。彼とは、告白されたことをきっかけに交際をスタートしました。
(1)愛するあまり愛情表現が止まらない私
付き合い初めは恋人がどういうものかわからず、色々と苦戦した私ですが、付き合いが長くなるにつれ、彼との付き合い方が確立されてきました。
新しい一面を知るたび、彼への想いが募っていく日々です。
恋愛感情があるかと問われれば難しいですが、家族への情に似たような特別な愛情がある私は、まるで可愛い子どもに愛を注ぐように、年下の彼にキスを頻繁にする毎日。会えれば元気になるし、会えない日は寂しい気持ちも増していきます。
今まで、これほど人を愛したことがなかった私は、アセクシャルながら、恋をすっ飛ばして愛を知ったと感じています。
(2)「本当にアセクシャルなの?」と聞かれた
彼と数年付き合ったある日、「本当にアセクシャルなの?」と彼から聞かれました。
理由を聞くと、愛情表現が凄まじいことが理由だとか。自身のマイノリティを「恋愛感情がなく、性欲もない」と説明していたため、恋愛感情がないにも関わらず、異様にうつったようです。
以前から、恋愛感情がないだけで愛情や友情、家族愛などの情があることは説明していましたが、恋愛に興味がないアセクシャルのステレオタイプから見れば、そのように思われるのも致し方ないことなのかもしれないと思いました。
(3)アセクシャルの型にはまった恋愛をしている
とはいえ、私はいたってアセクシャルらしい型にはまった恋愛をしていると思います。
キス一つで胸はときめかないし、一夜を共にして快楽に溺れるということもありません。
ただ、ずっと一緒に過ごしてきて、「彼がいい。男であるかどうか関係なく」といったように、人間的に強く好きになっただけです。
その好きの形は、決して恋愛的なものではありません。変な話、私自身「複数と付き合う」という恋愛の形を好まないだけで、素晴らしい人に出会えば、同じような気持ちをその人に抱くのではないかと感じます。
【3】まとめ
アセクシャルにも、アセクシャルなりの恋愛の仕方があります。
恋愛をしないというイメージがあるため、恋愛をしている人たちに対して違和感を抱くことがあるかもしれませんが、好きの属性が異なる中で人を愛しているのです。
私は普段からマイノリティについて考えているため、「本当にアセクシャルなの?」という質問は、大変興味深いものでしたが、人によってはショックを受けてしまうかもしれません。
身近にマイノリティをカミングアウトをしている人がいて、そのマイノリティに疑問を持った場合には、例えば「アセクシャルは恋愛感情がないっていうけれど、すっごく愛を感じる。これって、恋愛感情以外の気持ちからなの?ちょっと気になって」とオブラートに包むといいかもしれませんね。
(Amy/ライター)
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