以前、『ハリーポッター』の作者、J・K・ローリング氏がトランスジェンダー批判をしたことで話題になりました。
驚いた人も中に入ることと思いますが、心の性を認めない人は少なくありません。その理由や心理に触れていきます。
【1】トランスジェンダーなんてものは存在しない!?
日本に限らず世界中でLGBTQが認知され、多くの人たちが当事者に対して理解を深めようとしている中、理解しがたいと考える人たちも存在します。
レズビアン・ゲイ・バイセクシャルなどの恋愛思考は割と受け入れてもらえる印象がありますが、トランスジェンダーはどうでしょう。
SNSでそもそも「トランスジェンダーを認めていない」と発言している人を見かけることもあります。
トランスジェンダー の当事者は自分の性のことで悩んでいるのに、なぜそのマイノリティーを認めようとしないのでしょうか。
【2】心の性を認めない人たちの理由・心理
そもそも心の性という考え方がおかしい、そんなものは存在しないと考える人も少なからずいる様です。なぜ認めようとしないのでしょう。
トランスジェンダーは少し前まで「性同一性障害」と言って、病気の扱いをされていましたね。LGBTQ、トランスジェンダーの言葉が浸透するまでは「病気・障害」という印象が強かったのではないでしょうか。
あくまで自論ですが、心の性なんてないのが正常だという認識で、心の性がある(ここでは心と体の性が違うことを指します)状態というのは、病気・障害に影響され、正常ではない考えているのではないでしょうか。
自分の中で正常ではないと定めてしまっているものへの考えを改めるのは、なかなか難しいのではないでしょうか。どんなに世間がトランスジェンダーへの理解を深めようと進める運動をしても、その人達にとっては間違えを正しいものだと言っていると見えてしまうのでしょう。
またトランスジェンダーに限らずLGBTQが広く認知されるまでは「男性・女性」の二括りでしか考えられてきませんでした。「男性・女性」のみを当たり前として考え育ってきた親世代などは、特に受け入れがたいのかもしれません。
他にも考えられる理由としてトランスジェンダー が「恋愛」といった括りにない分、なかなかピンとこない性的マイノリティだからなのかもしれません。「恋愛は人それぞれ」と考えやすいのかもしれませんが、「心と体の性が違う」と言われただけでは不思議に思ってしまうのかもしれませんね。
ここで正常だの正常ではないだの発言していますが、どんな人も自分らしく生きる権利があります。以上の様な考え方を誰かからぶつけられようが、当事者に限らず、無視して自分を信じて自分らしく生きて良いのだということを忘れないでください。
【3】FtM/MtFといえば認められるのか?
FtM/MtFという言葉は、トランスジェンダーの人たちが体の性はこっちだけど、心の性はこっち。と細かく言い表しているもの。
ちなみに私自身、この言葉にものすごく嫌気がします。
なぜわざわざ本来の性別と自認している性をあからさまに言わなくてはいけないのでしょう。トランスジェンダーの一言でいいと思います。
当事者としてこの様な考え方を持っていますが、当事者ではない人にとっては、その人の性的マイノリティを知るために欠かせないものだと思います。そのため、私は文面上で説明する際はFtMと記載しています。本当は嫌ですが……。
さて、本当にFtM/MtFといえば認めてもらえるのでしょうか。正直、認められないと思っています。FtM/MtFは結局のところ「心と体のせいが違う」、つまりトランスジェンダーだと言っているのです。
どっちが元の性別だったのかを明確にしただけであって、心の性別を認めてもらうことにはつながらないでしょう。
【4】まとめ
考えを改めるのは非常に難しいもの。誰にでも認めがたいことはあります。
私たちは無理に認めてもらおうとせず、そういう人もいるんだよと認識してもらうくらいのつもりでいたら良いのだと思います。
(摂津美葉/ライター)
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