家族へのカミングアウトはセクシャルマイノリティの人本人も相当の覚悟をしますが、聞く側も家族だからこそ強い衝撃を受けることが多いです。
幸せを願いたいと思いながらも、受け止めきれないことがあるのではないでしょうか。ストレートの1人として、家族からカミングアウトされた際の自分の感情との向き合い方や消化方法を考えていきます。
【1】家族からカミングアウトされて受け止めきれず…
家族からのいきなりセクシャルマイノリティであることをカミングアウトをされた人もいるでしょう。そのカミングアウトに自分自身はショックを受けることもあると思います。例えば娘や息子からいきなり「実は付き合っている人がいる」ということで同性の人と付き合っていた場合、どういった方法を取ればいいか分からないという人も多いでしょう。
兄弟でも驚きですが、特に自分が長年育ててきた娘から彼女がいる、息子から彼氏がいるということは普通では考えつかないことかもしれません。世間でそういう人がいても「まさか自分の家族が……」という思いは沸き起こるかもしれませんね。お腹を痛めて、あるいは懸命に育ててきた子供の自分の知らない一面が突然発覚してしまったら、混乱してしまうのは最もです。
異性愛者だと思ってきたからこそ、例えばレズビアンやゲイセクシャルといった同性愛だと知ったら、これまで想像していた将来と異なる人生を歩むことになるかもしれませんし、どう接するのが最適なのかわからなくなったり、人によっては受け入れがたいと思うかもしれません。
性自認が違うトランスジェンダーなどなら、これまで女の子・男の子として接してきたのに異なることを知らずにいた自分を責めてしまったり、「娘を育てている」「息子を育てている」という気持ちが強い分、いきなり娘が息子に・息子が娘になってしまったら、頭が真っ白になってしまうかもしれません。
ですがそういった部分は決して悪いことでもなく、可能性としては十分にあります。子供は特に相談などをしにくい環境にもなるので、成長をしてから実際にカミングアウトをされるということも多いのではないでしょうか?
【2】幸せを願いたい…受け止めて行くための準備
カミングアウトする側も、「もう自分を偽りたくない」「結婚を楽しみにする様子を見ていて罪悪感がある」など、もう打ち明けるしかないほどに抱え込んで家族にカミングアウトするケースが多いです。それだけ、まだまだカミングアウトというのはデリケートです。
そんな思いを打ち明けられたなら、家族として相手の幸せを願いたいものですよね。事実を受け止めるにはしっかりとした準備が必要になります。
(1)本人の意思で行動をしているかどうか
先ずカミングアウトをしている本人がちゃんとした意思で行動をしているかどうかを考える必要があります。
特にこういった場面では、無理やりそういう関係にさせられていたり、押しに弱く長さてしまっているような人も中にはいるからです。
実際に息子や娘から言われて衝撃を受けるかもしれませんが、本人が相手のことをどの様に思っているのかが重要になるでしょう。
きちんと話を聞いたり、本人の様子から家族ならわかるかもしれませんね。
(2)強制をしていないか
カミングアウトされて混乱してしまうこともあると思いますが、話を聞いて行動を強制してしまってはNGです。
どういうカミングアウトかにもよりますが、本人が意識し始めるのは高校生前後からです。強制をしてしまうと本人に相当なストレスなどもかかってしまい、自由にできないと感じ始めて心にキズを追ってしまうこともあるかもしれません。
そういったことは心配ですが、強制などをしないように気を付けましょう。
最悪の場合に、離縁する覚悟すら持っている人もいます。それだけ性的指向・性自認というのは変えがたいものです。
(3)将来をどうしたいのか
将来をどうしたいのか本人に聞くことも大切ですし、もしカミングアウトをされたのであれば実際にその相手を家に呼ぶということもできるかもしれません。
ですがそこで注意することは暖かく親として見守ることです。余計なことは言わないようにしたいですね。
本人がどうしたいのか、どの様に関係を築きたいのかをしっかりと受け止めるようにしましょう。
(4)自分はそんな家族でも愛しているのか
予想外のことが起きるとパニックになり思考停止をしてしまい、どうしていいかわからなくなるかもしれません。
そんな時は、そんな一面があってもその子のことを愛しているのか再確認してみてはいかがでしょうか。混乱は時間が消化してくれることが多いです。
セクシャルマイノリティというよくわからないものを前に戸惑いもあるかもしれませんが、1つの個性として受け入れていけると良いですね。
(5)どう接したら良いか聞いてみる
セクシャルマイノリティの人は、心ないことを言われることがあったり、言われるかもしれないと怯えていることがあります。
だからこそ、わからないなりに、戸惑っているなりに寄り添おうとする気持ちがあるかどうかはわかります。
自分なりに考えて寄り添おうとしてみたり、時にはどう接したら良いか本人に聞いたり、その人のセクシャルマイノリティの事情について質問してみたりしてみてはいかがでしょうか。
これまでセクシャルマイノリティについて考えてこなかった人にとっては普通ではないことで衝撃かもしれませんが、よくよく話を聞くと存外普通だと思うかもしれません。なんと言っても、セクシャルマイノリティは10人に1人以上いると言われていますし、それも「自分がマイノリティです」とはっきり隠さずにアンケートで答えられた人の割合ですからね。
【3】まとめ
家族からのカミングアウトというのはどんな事でも衝撃的なものが多いです。
トランスジェンダーや様々なマイノリティ、それ以外にもたくさんのことに衝撃を受けます。
普段は言わずとも、いずれ言おうとしている子どもや親も多いのではないでしょうか?
そういったものはしっかりと相手の意見を聞いていく上で受け止めるよう努め、一緒に支えたらいいですよね。
(MAGI/ライター)
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