アセクシャルやノンセクシャルには性欲がありません。そのため、映画などのエッチシーンに対する見方が少し違うかも……。
アセクシャルもしくはノンセクシャルを自認する『Shano』編集部の雁屋優が、自身の感覚に基づいて、ベットシーンがどのように見えているか解説いたします。
【1】避けられないエッチなシーン…どう感じているの?
私は、性欲がないノンセクシャルと恋愛感情がないアセクシャルの間を揺れ動いていると感じていますが、一貫して、性欲を感じることがありません。
世間にはたくさんの映画やドラマが溢れていますよね。その中にはテーマが恋愛であるものや、恋愛要素の入るものがあります。
そんな恋愛要素のある映画やドラマで多く見かけるのがエッチなシーン。そのエッチなシーンをアセクシャルとノンセクシャルの間を揺れ動く私がどう見ているのか、解説していきます。
【2】エッチなシーンに共感できない私
映画やドラマのジャンルにもよると思いますが、映画やドラマを観る上で、青春モノであっても、お仕事メインの話であっても、恋愛要素は避けるのが難しいものとなっています。恋愛はそれほどまでに多くの映画やドラマに含まれているのです。
恋愛があれば、当然そのなかにはエッチなシーンを含むものもあります。洋画などはすぐキスしますし、ハグは当たり前のようです。
しかし、そのどれにも共感はわいてこないのです。こんなキスをしたいなどの憧れも抱きません。だからこそ、作品の見方もマジョリティと変わってくると感じています。
(1)キスシーンは長いと感じてしまう
キスシーンになると急に登場人物の動きがゆっくりと描写されることがありますよね。
私は、あの時間を「早く物語が動かないかなあ」と少し退屈に思いながら終わるのを待っています。
キスシーン、一度のキスですっと終わるのならまあいいかなという感じなのですが、顔の向きを変えては繰り返されるキスシーンには、「いつ終わるのかな……」と別のことを考えてしまい、作品から少し気持ちが離れる場合もあります。
あまりに長いキスシーンでは、ついつい早送りしてしまったり視聴そのものをやめてしまったりします。
(2)興奮がわからない
キスシーンの後にエッチな雰囲気が高まり登場人物も興奮して、服を脱いでいく……そんなきわどいシーンもあります。
早くエッチなことがしたいと投げ捨てられる衣服。多くの人は共感をしたり、登場人物の興奮状態に自分までその気になってしまうことでしょう。
しかし、私には登場人物の興奮も、高まるエッチな雰囲気も、何だかよくわかりません。何かいきなりエッチなことするらしい。何故?」という感じです。
そこに至るまでに見つめあったり恋に落ちたりと過程はきっと踏んでいるのでしょうが、セクシャリティ故に恋愛に疎い私はよくわかりません。アセクシャルは恋愛感情を持たないため、往々にして恋愛に関する共感や経験知識が乏しいのです……。
結果、「いきなり興奮しだした」みたいに見えてしまいます。
(3)事後の描写は何だか生々しい
エッチなことをした後の描写としては、ホテルのベッドでほぼ裸で横になっているシーンなどが挙げられますね。
ベッドの照明が何だかエッチな雰囲気をかもしだしている……そんな空間が描写されます。
こういうシーンを観ていると、「何だか生々しいな……」と感じてしまいます。
事後ということが物語に大事な要素なのもわかっていますが、生々しさの方が勝ってしまいます。あまりにも長いとまた早送りしたくなるのですが、物語の肝となっていることが多いため、事後のシーンでぽろっと重要な発言がされたりするので、キスシーンのように早送りするわけにもいかず……という状態です。
【3】まとめ
あくまで私の感じ方ですが、ノンセクシャルやアセクシャルの人には映画やドラマのエッチなシーンが人とは違って見えている可能性があるということが伝わったでしょうか。
アセクシャルを自認する『Shano』編集部のAmyさんもどうやら、同じように感じているとのことでした。
エッチなシーンに共感できず退屈しているというのも普段はなかなか聞かない感想かもしれませんね。
しかし、だからと言って特別気を使っていただく必要はないと思います。映画やドラマそのものは楽しんでいますのでご安心ください。
(雁屋優/ライター)
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