「産声を上げたときからゲイセクシャル」でもはっきり自認したのは恋愛がきっかけ

人の恋の形はみんな違う……。

マイノリティなセクシャル「LGBTQIA+」に迫る本企画。

今回はその中でも「G」にあたるゲイセクシャルの人に話を伺いました。  

 

【1】幼少期からゲイを自認…その場凌ぎで異性愛のベールを被る

ゲイセクシャルといっても、自認するタイミングは様々。

幼少期から違和感を抱える人、性的特徴が現れた頃から自覚する人、大人になって気づく人と様々です。

今回は、幼少期からはっきりゲイセクシャルだと感じていたFさん(23歳・男性)に話を伺いました。

「性的指向が自分の中で確定したのはきっと、今回お話しする恋愛がきっかけだったと思います。もしかして自分は“ゲイかもしれない”だとか“バイかもしれない”と悩み始める時期は、成人してからの人がいたり、ゲイバーで働いているたまに出会う“結婚しているけど、40歳を超えてから男が好きなんじゃないかと思い始めたんだ”と言う遅咲きのゲイセクシュアルの人もいたりします。僕の友人に多いのは“産まれて此の方ずっとゲイよ!産声を上げた瞬間からね”と言うタイプ。僕も多分そのひとりです。小学生から中学生にかけて、クラスでは恋愛の話題が出初めて、その場しのぎで“絶対に内緒だよ”と仲の良い女の子の名前を出して異性愛のベールを纏っていました。そうこうして小学5年生の時。仲の良い男友達と“遊び”感覚でちょっとしたエッチなことをして“やっぱり男の子が好きなのかなあ”と言う疑惑が深まりました」

異性愛同然の環境にいると、どうしてもごまかしてしまう人が多いですよね。

特に、「男の子を好きかも?」と思っても、そういう人がいるとわからないうちは、なかなかはっきり自認できないものだと思います。  

 

【2】素敵な男性教師との出会いでゲイを確信

疑惑から確信に変わるには、何らかのきっかけがあると思います。

はっきり自認したのはいつなのでしょうか? 

(1)思春期にありがちな大人への恋も男性だった

「疑惑がクロかシロなのかわからないまま中学校に進学して、その入学式でとある男性教諭と出会いました。きっとこれが僕の初恋でした。一目惚れだでしたね。身長が190センチと高く、学生時代に野球部で僕の通う中学校の野球部の副顧をしていた英語科の先生。産休に入った別の先生の代わりとして非常勤でやってきた当時23歳だったと思います。僕のちょうど10個上ですね。思春期になると“大人な人”に惹かれがちだけれど、今ちょうど10年経って、あの時の先生と今の僕が同い年って考えると23歳って全然大人じゃない気がします」

(2)見た目がドストライク

「身長高くて体格が良くて、見た目がドンピシャ過ぎた先生に対する想いは学校で見かける度に増していきました。この好きという気持ちが強すぎて、先生への気持ちを綴ったブログ初めてときは結構な反響を得たことを覚えています。教科担任でもなかったし、話す機会が無かったけれど、友達の伝手で面識を得られるようになって、彼の方から喋りかけてくれることが増えました。僕は先生に褒められるために英語を必死に勉強して英語のテストで満点を取るたびに見せに行っていました。いつもくしゃくしゃな笑顔で頭を撫でてくれるのがとても嬉しかった記憶があります」

(3)彼に包まれてみたいと思ってしまった

「自分の教科担任でもないのに、英語を教えてもらう約束をして2人きりの英語科準備室を過ごしたことがあります。ソファーに横並びで肩が触れることに少し照れつつ、もっと触れていたいと願いました。その時、先生の膝を枕に寝たふりをしました。男だから警戒されなかったのだと思いますが、今考えるとすごく大胆なことですね。今の僕では到底そんなことは出来ないと思います。寝たふりをする僕を起こすことはせずに、頭を撫でてくれた感触がしました。ソファーの皮の匂いと先生の匂いが入りまじったあの香りは二度と感じられないけれど、忘れることはないと思います。この時が僕の気持ちのピークでした。この人に思い切り包まれてみたいと思ってしまった僕は、もう自分はゲイではないと否定できなくなっていました」

(4)性へ関心が高まる思春期に女性へ魅力を感じず

「“たまたまその人が好きになっただけで、ゲイということでは無いのでは?”って聞かれておかしくないですよね。けれど、あの多感の時期に、女性の身体に性的な魅力は感じていなかったし、男性の身体にとても興味があった事実は、僕をゲイだと自覚させるには造作もないことでした。実際、ずっと先生のことを性的な目で見ていたし、その奥にあるアソコを見たくて仕方ありませんでした。プラトニックな愛というものが巷には存在するけれど、僕は違いました。性的なものと恋愛は切っても切り離せないと思いますね」

(5)隠すために「嫌い」と言わなければならない苦しさ

「先生に思いを寄せている頃、友達に茶化されたことが多々ありました。先生との会話中目の前で”お前絶対先生のこと好きじゃん!”と言われて、この気持ちは誰にも知られてはいけない気持ちが強かった僕は“は?大嫌いなんですけど”と大きな声で叫んだこともありました。そんな事があるたび、家に帰ってなんであんなこと言ってしまったのだろうと自己嫌悪に陥り、一人で泣いていたのはいい思い出です。そのあとも先生一筋でした。一度だけ中学生時代に、当時高校3年生だった男性と交際をした事があるけれど、すぐに破局しました。先生への想いは増すばかりでした。週5で会えちゃうもんですから……」

思春期になって、性的魅力を感じる対象が男性か女性かはっきりしてくると、自認する人が増えそうですね。

とはいえ、僕の場合は異性恋愛が当たり前だと思っていたので、男性への関心が憧れや目標からくるものだと思っていたんですよね……。  

 

【3】気持ちを伝えられず…先生は女性と婚約

先生と生徒の恋愛は、なかなか実らないものですよね。法的に問題がありますし、仮に法から逃れて卒業後に恋愛をしたとしても、未成年や若い人との恋愛について、教師はとにかく言われがちだと思います……。

特に、同性恋愛だと相手もそうとは限らない点で苦労しがち。Fさんの場合にはどうなったのでしょうか?

「もちろん、最後まで想いは伝えられないまま名残惜しくも中学校を卒業しました。その後通っていた高校の通学路だったターミナル駅で、あの先生が同い年くらいの女性と歩いているのを見つけました。その後、風の噂でその人が彼女であることや、その人と婚約したことを知り、なんだか上から目線だけど“この人も幸せになったんだなあ”としみじみ感じました。今思い出してみて、本当に熟してない実を齧るようなとても青い片想いだったと思いますが、この恋愛のおかげで自分のセクシュアルとしっかり向き合うことできました。誰かとちゃんとお付き合いをするのはまだまだ先のお話です」

好きな人の幸せを応援できるのはとても素敵ですね。

自分はなかなかセクシャルときちんと向き合う恋愛をして来なかったので、少し羨ましいです。  

 

【4】まとめ

「産声を上げた瞬間からゲイ」というタイプの方から初めて話を伺いましたが、昔から「かもしれない」と思っていても、自認がまだ先になるケースは多そうですね。

恋愛にきちんと向き合い、自分自身に問いかけてきた人はゲイセクシャルだと気づく人が多そうです。

(Aoki/ライター)

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LG(B)Tの男子(23)。ゲイよりのデミセクシャルだが、女性としか付き合ったことがない。自分がバイであることに気づいたのは、大学生になってから。女性も、トランスジェンダーや中性・無性の人にしか興味が向かないことに気がついた。当時かなり悩んだため、当事者たちが生きやすい社会になるよう、Shanoでの執筆を志望した。普段は、IT系の企業でマーケティングと営業を専門としている技術者。性的趣向が完全に女性なため、好みと欲求の食い違いに日々悩んでいる。