デパートに入ると、きらびやかなディスプレイと共にメイクコーナーに出迎えられます。「キラキラしている!色んないい香りがする!ここに自分の居場所はない!」と思う人はマイノリティと関係なくいる気がしまうね。老若男女問わず一定数、「嫌いではないが落ち着かない」という人。
とはいえ、それはメイクというものが苦手かという話とはまた違うよなあ、とぼんやり考えていたら「メイクというか、化粧そのものは性別とは無関係では?」と思った、とあるXジェンダーの話をしたいと思います。
【1】芸能人は男性でもメイクしている
近頃「ジェンダーレス男子」という言葉が広がって、性嗜好や性自認問わず男性もメイクを楽しむ人が出てきました。
けれどよく考えれば、「メイクをしている男性」を私たちは日常的に目にしています。「どこで?」と首を傾げるなら、テレビなり動画配信サイトなりでドラマでもバラエティーでも観てみると、良いかもしれません。そこに男性タレントさんや俳優さん、所謂芸能人の男性がいれば彼らがそうだからです。
何も歌舞伎役者の方々やヴィジュアル系ミュージシャンに限らず、舞台に上がる人、テレビに映る人というのは性別関わらずメイクをします。それが肌を整えて多少綺麗に見せるのか、もう少し何か工夫をするのかなどの程度の差はあれどメイクをしない方が少数です。
【2】趣味のためにメイクを覚える、我らコスプレイヤー
とある趣味にはまり、性別関係なくメイク技術を覚えていく人たちがいます。コスプレイヤー、特に二次元キャラのコスプレイヤーがそうです。何しろ衣装とメイクで性別を越えなければならないのですから……。
女子更衣室からイケメンが出てきて、男子更衣室から美少女が出てきたりする世界。中には「えっ、あの人男性(女性)だったの!?」というレベルの人もいるので、同じ趣味を持つ身としてはただただ「すげえ……」としか言えなくなったりします。
コスプレ関係の本などでは男装用、女装用メイクのページもあり、こうした趣味に関わると男女関係なくメイク知識は多少知っていくものだけれど、後は女性ファッション誌くらいしかメイクを広く教えてくれる場はないのかもしれません。
そうして考えれば、「メイク=女性のもの」と考える人の気持ちも分かります。自分が関わってこなかった世界の話と認識するのでしょう。
【3】そもそも、メイクは何のため?
たまに「他人のメイクに口を出す、メイクをしない人」がいる。そういう人がいてもメイクという文化はずっと続いています。ならば、それにはそれなりの理由があって残ってきたはずです。
何しろ、古代エジプトの頃にはメイクをする文化はあったのだし、日本だって古代の頃にはメイクどころか入れ墨文化があったのだから。自分を美しく見せるため、魔除けのため、戦いに出るために化粧をする。
だいたいこうした意味を持ってメイクに関する文化は世界各地、自然発生のように古くから存在しているのだから、「メイクには意味がある」し、そしてだいたいは「自分のためにメイクをする」のなら他人が口を出すものじゃないようです。
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【4】とはいえ、ハードルは高い
メイクそのものは性別と関係ないことを歴史は語っているとはいえ、現在はまだまだ性別とメイクはしっかり関係つけられてしまっています。
少しずつ変わってきているものの、女性がメイクをしていなければ「メイクはマナーだ」と言われ、男性がすれば「男が化粧なんてするな」と言われる世の中です。
それを小さいことから変えていけるかどうかが、これからの鍵なのかもしれませんね。
【5】まとめ
性的マイノリティの枠からは少し離れた話題だけれど、ジェンダーレス男子も話題になったので「そもそも化粧とはなんぞや?」ということをつらつらと考えてみました。
切っ掛けのきらびやかなディスプレイは各ブランドの方向性というだけなのだけれど、メイクそのものを考え直す機会になってくれたので有難いと思います。
一周回って「自分を奮い立たせる強いメイク道具」が手に入る場所に見えてきました。ゲームでいうならば強い武器と防具が買える場所。そりゃあ豪華なわけです。
というわけで、メイクが好きな人は性別問わず好きにやりましょう。それがこれからの誰かの為になるんですから。
(Shano編集部)
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