アセクシャルは言葉が浸透していないため、実際は恋愛感情や性衝動がないのにマイノリティであることに気づけないケースもあるでしょう。
そうして恋人にエッチを求められた場合、辛いと感じる人は多いです。
【1】アセクシャルの定義は分かれている?
アセクシャルは狭い意味では、他者に対して性的な惹かれのないこと、広い意味では他者に対して恋愛感情も性衝動もないとされています。
研究が進んでいないために、実際のところ、定義は様々で研究者の間でも主にボガート・ヌリウス・ヴラウスとグラハム3人の解釈に分かれています。また、当事者の間でも自認や考えが異なっていると感じます。
そのため、認知もあまりされていません。アセクシャルという言葉を知らないばかりに、恋愛で嫌な思いをすることがあるのはもちろんのこと、周りに合わせて恋人を作り、エッチの面で困ること人も多いでしょう。
【2】恋愛感情や性衝動がない人がいると知らなくて…エッチで求められて困った経験
言葉が浸透していないがために、ごく普通に恋人と日々を過ごし、エッチを求められる経験をする人は多いでしょう。ですが、欲求がないこと、あるいは嫌悪があることを伝えるのが難しいと感じる人も多いのでは?
アセクシャルを自認する前のエッチでの苦労を聞いてみました。
(1)ただ初めてを怖がっていると思われる
「私はエッチが本当に無理な嫌悪タイプです。でも、“初めてだからだろう”“慣れれば大丈夫”と言われ続けました。恋人は待ってくれたけれど、そういうマイノリティの人がいるって知らなかったから、次第にいつまでもエッチさせない私の方が悪い気がしてしまいました……。彼も、“いいと思えるまで待つ”という感じではありましたが、いつまでも処女にこだわっている私に苛立っていたと思います。アセクシャルという言葉さえ知っていれば、そういう人もいるのだとここまで悩まなかったし、彼にそのことを伝えられたのに…と思います」(Sさん・22歳女性)
(2)信頼されてないと誤解される
「エッチを拒否してしまって、初めは彼も理解を示して待っていてくれたものの、求められるたびに嫌がってしまい、最終的には“大丈夫だと思えたとき言って”と言われてしまいました。彼の空気から、信頼されてないからできないんだと思っているのが伝わってきて、とても辛かったです。でも、しようと思っても、本能が拒否をしてしまうんです。決して彼を信頼していないわけではないけれど、エッチができないことが信頼をしていない証拠のようになってしまっていて、どうしていいかひどく混乱しました」(Aさん・28歳女性)
(3)相手をそういう目で見れない自分が嫌
「素敵な人に告白されて付き合って、いざベッドインをして受け入れられない自分がいました。相手とそういうことをするなんて想像できないし、そういう目で見れないことに気づいたんです。確かに好きだったけれど、恋愛的な好きではないのだなと別れてしまいました。でも、アセクシャルだという言葉を知っていたら、恋愛感情がないのだから、自分が彼に対して好きだと思った気持ちを尊重できたと思います。エッチは、もうそういう状況に陥らないからできるかわからないけれど…“そういうもの”と思えば、もしかしたらいけたかもしれないとも思います。いまさらどうにもなりませんが、もっと早くに知っていれば人生も変わったかもしれませんね」(Gさん・31歳女性)
【3】まとめ
セクシャルマイノリティをわざわざ分けて考えることについては、疑問視する声や、どれにも該当しないクェッションがさらに悩むのではないかという声もあります。
ですが、少なからず救われている部分があるのも事実でしょう。もし恋人がエッチに対してひどく拒否反応を示したときは、寄り添うことができたらいいですね。
(Amy/ライター)
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