さらっと「性別どうする?」と聞かれて諦めていたことを思い出したXジェンダー

精神科で性別をどうするか聞かれた話

セクシャルマイノリティ当事者でもありますが、私は発達障害の関係で精神科と長いお付き合いをしています。

今日はそんな主治医の一言が安堵に繋がった話をしようと思います。

 

【1】精神科医の心理検査で性別を聞かれた

精神科というと、馴染みの無い方はどこか恐ろしい所のようなイメージを持つかもしれませんね。

ですが、患者さんも色々ですし建物も他の病院と変わらないようなところも多いので、個人的には「メンタルを壊す前に自分に合う病院を調べておく」というのをおすすめしたいです。一度調子を崩すと完全に治る、というのが難しいのがメンタルなので……。

さて、その日、私は軽い心理検査について主治医と話していたのですが、その時に自分の性別が男か女かどちらかに印をつける箇所がありました。その時に、「性別どうする?」と主治医がまるで夕飯のおかずを決めるかのような気軽さで尋ねてくれたんです。

 

【2】逆に当事者側が驚いた体験

私は一応Xジェンダーという自覚を持ってはいますが、例えば何かしらの書類で男か女かと記入しなければならない時に「まあシステム的に仕方ないか」と肉体の性別の方を記入します。

勿論、それは私が個人的に割り切って、悪く言えば諦めて記入しているので、他の方はそうした記入にとてつもない嫌悪を抱いている人もいるでしょう。

だからこそ、「どっちに記入する?もしくは空欄にしておく?」という主治医の「その問いが当たり前」のように尋ねてくれたことに驚いたんですよね。公的な書類ではないからこその問いかけだったかもしれませんけれどね。

 

【3】色々なことを諦めている自分に気付かされた日

何かしらのセクシャルマイノリティを自覚して生きていくと、気付かないうちに諦めてしまっていることというのは様々あると思います。

例えば、MtFやFtMだという自覚はあるけれど手術をするのが難しい、若しくはそこまでしなくてもいいという人の場合、社会は肉体の性別で当事者を認識しますよね。だからといって、それでいいわけではないですし。

心というか自覚している性別は違うのに、肉体の性別に則した生き方を求められるというのは自尊心すらも諦めることに繋がりかねません。自分は生きていていいんだ、という人間の本能すらも脅かす程の威力を持っていたりします。

いつの間にか、多数派だらけの社会で生き延びる為に私も大小様々な苦痛を諦めて受け入れていたんです。

 

【4】まとめ

当事者が自分のことを諦めることなく、それでいて多数派が過剰に気にする必要がないくらいの社会が出来るにはまだまだ時間というか年月がかかるとは思うのですが、身近な人々との関係性を構築していくのと変わらないとは思います。

ご近所さんだとか、学校の友達、会社の同僚等々……仲良くなる時間もきっかけも様々なように、当事者とそうでない人との素敵な関係作りも特別なものはないでしょうし。

当事者の方々は自分の自尊心を捨てることはせず、奪われないようにしながら。そうでない人は寧ろセクシャルマイノリティ以外のその人それぞれの良さや、好きな所を見付けていく方が楽しくいられるのかもしれませんね。

(Shano編集部)

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