障害者雇用問題…採用が“義務”だからこそ扱いが酷く3月には退職する話

障害者雇用の実態

今までアセクシャルについて話をしてきたのですが、実は私は障害者でもあります……。それも、重度うつ病による精神障害者2級のタイトルがついています。そのため、私のポジションは日本人>女性>精神障がい者>アセクシュアルと言う結果になります。

私がうつ病になったのはよくある話で、過重労働。月に120時間も残業をしていました。現在は、なんとか仕事をする事も出来るレベルに回復し、サラリーマンをしながら兼業ライターをしています。

 

【1】障害者雇用制度

現在日本では障害者雇用制度という法律があり、従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります。

第四十三条 事業主(常時雇用する労働者(以下単に「労働者」という。)を雇用する事業主をいい、国及び地方公共団体を除く。次章を除き、以下同じ。)は、厚生労働省令で定める雇用関係の変動がある場合には、その雇用する対象障害者である労働者の数が、その雇用する労働者の数に障害者雇用率を乗じて得た数(その数に一人未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。第四十六条第一項において「法定雇用障害者数」という。)以上であるようにしなければならない(雇用者雇用促進法43条第1項)

そして、民間企業の法定雇用率は従業員数に対して2.2%の障害者雇用することが義務付けられ、私はこの法律のおかげで何とか、自虐気味ですが…その“ポンコツ枠”で就業をしています。

精神障害者手帳はもらうべき? メリットとデメリットを取得者が公開

 

【2】“義務”で採用し、存在を隠す会社の実態

特に今は厚労省がうるさくなり、障害者雇用の法律を守らない企業には罰則を設けているために、障害者雇用が促進をされています。しかし、法律=企業が本当に障害者を受け入れているかと言うと、残念ながらそうではなく、“義務”だから障害者を受けているという現実があります。

筆者の場合、出社一日目に部署の方にも紹介もされることもなく、また、部署の役職のついている方しか私の障害を知らず、あたかも透明人間のように仕事のポジションを与えられ、仕事をこなす毎日に至ります。ただ、やはり安定した雇用形態で、それなりの大企業に勤務出来る、という事でこの度就職をすることに至りました。

実際に働いててみると、アセクシャルなのもあって、マイノリティーのラベルがもう一つ増えた形になった、というのが本当のところです。正社員がいて、派遣社員・契約社員の方がいて、そして私という“ポンコツ”枠で構成されるピラミッド。

私自身、障害に関して何のコンプレックスも抱いていないのですが、部署の“上の人”しか知らないはずの私の障害は、そもそも私の前任者の方が障害者であったこともあり、なんとなく他の方にも知れ渡り、“不思議な違和感”を持ちながら仕事をしている毎日です。

そこで、思ったこととは、やはりマジョリティーというのは、マイノリティーの事を、疎外はしなくても「面倒くさい」存在に考えがちではないかという事です。

一緒に仕事する正社員の年下の女性およびほとんどの人は、“目を合わせる”のもしてくれない。そして、上司は私の経歴を見て、外資金融でバリバリ働いてきたことを理由に、雇用契約書に記載されていた以外の仕事を振られる。驚いたのは、昨年夏に肺炎で2週間の休職時には、診断書と診察の為にクリニックに行く時間を人事部に尋ねられ、当日クリニックに行くと人事の担当者が待ち構えている…などとストーカーまがいのことまでされたのです。

私はホトホト私への“管理”に嫌気がさし、私は来る3月末に退職をすることを決定しました。話を聞いてみると、“障害者の”前任者も“ちゃぶ台を返すように”突然やめてしまったそうです。やはり、マイノリティーは生きにくいのでしょうか……。

精神的な疾患や身体的な障害を抱える人必見! 自立支援医療制度とは?

 

【3】まとめ

障害者も生活できるよう、就職では障害者枠が設置されています。

しかし現在、SNSなどを見ると賃金の格差(能力があるのでこれは仕方ないと思う)や、扱いの酷さなどがよく問題視されています。

その氷山の一角として、今回についてお話しさせていただきました。

(田中裕子/ライター)

記事を拡散する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

10万とび50歳(笑)なのに、つい最近まで自分がアセクシャルであることに気が付かなかったノホホン女子 。社会人3年経験後に、思い切ってアメリカ留学。金融に勤務後にうつ病で、障害者認定…。それでも、明るく×2にゃんずと暮らしながらアセクシュアルであることに誇りを持って楽しくライターをしています。性的に気持ちいいことは抱っこ。嫌悪タイプではなく、暖かい人肌が大好きです。