Aセクの懸念…同性婚ができるようになると結婚しない人はどうなる?

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アセクシャルとノンセクシャルを揺れ動く私には、同性婚が認められることに対して懸念があります。

もちろん、認められること自体は喜ばしいことなのですが……。不安についてお話ししましょう。

 

【1】同性婚を認めようとする動きが高まっている

こんにちは、アセクシャルとノンセクシャルを揺れ動くライターの雁屋優です。

台湾でアジア初の同性婚を認める法案が可決されたことを覚えている方も多いと思います。日本でも同性婚について考える機会は増えてきているのではないでしょうか。

先の選挙でも政党マッチングサイトなどで各党や政治家個人の考え方を示す際に、同性婚に対しての姿勢が載せられるなど、国民の関心も高まっていることがうかがえます。

同性婚がこの国でも可能になったらいいなと私も思っています。しかし、少し不安になることもあります。

同性婚が認められることの懸念

 

【2】同性婚が認められたら結婚しない人は…?

同性婚が認められる国になってほしい。それは幸せの数が増えるということだから。その思いは事実です。

それでも、手放しで同性婚が認められる未来を待つわけにはいかない事情がアセクシャルとノンセクシャルを行き来する私にはあります。

(1)「結婚しない」という選択に逃げ道がなくなる

今でも結婚適齢期という言葉が残っているように、結婚することが大切だと考え、その価値観を人に押しつけてしまう人が一定数います。会社などで「結婚しないの?」などと聞いてくる人、いますよね。

プライベートに踏みこんだ質問で、仕事の場では許されることではありません。しかし、職場でのその発言はなくても、家族や親戚から「いい人いないの? 紹介するよ」などと言われることも少なくありません。「いい人なんていたって、私にはいりません」というのがアセクシャルとノンセクシャルを揺れ動く私の本音です。

どうやら私の親は私が同性を好きなのだと思い始めたようです。そのためか、結婚という言葉を口にすることもなくなり、私の結婚は諦めがついたようです。ところが、同性婚が認められると、そのような結婚しない理由がなくなります。

親から見れば、私は同性が好きだから結婚しないのであり、異性とも同性とも結婚できるようになったらおそらく結婚するだろう、ということなのです。

(2)結婚しない人々に社会での居場所はある…?

さらに、問題になるのが、社会での結婚しない人々の認識のされ方です。今でさえ、「この歳になるまで結婚できないのは本人に問題があるからだ」などと平気で言う人がいます。

同性婚が認められたら、家族や職場で少し肩身が狭いことに加えて仕事の評価まで結婚しないことと結びつけられ、不当に扱われるのではないか…という不安があります。これは笑い飛ばすことのできない不安です。

何故ならこの国では結婚してようやく一人前という価値観がいまだに根強いからです。そしてそれを仕事という公の場にもちこんで、当然のように評価に結びつける。残念ながらそういったことが起こっても不思議ではない現状です。

結婚しないことで、仕事で不当に低く評価され、その評価故に収入が増えなかったり昇進できなかったりしないように価値観のアップデートが必要なのです。

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【3】まとめ

同性婚が認められるのは勿論いいことです。しかし、人は結婚すべきだという価値観を社会が結婚しない人もいるという風にアップデートしないままでは、同性婚が認められることによって、苦しむ人も出てくるかもしれません。

だから同性婚を認めないということではなく、価値観をアップデートした上で同性婚のある社会を生きていきたいのです。

(ライター/雁屋優)

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