『青春マイノリティ!!』への思いを、えいくら葛真先生に取材しました

セクマイについて理解したいと思う方や、パワーをもらいたいセクマイにオススメの『青春マイノリティ!!』は、「講談社×pixiv」の漫画アプリ「パルシィ」でデビュー連載したため、全作無料でpixivで見ることが可能で、毎金曜日更新には続編が更新されています。

先日、Shano編集部でも、『青春マイノリティ!!』の魅力お伝えしましたが……。今回は、作者のえいくら葛真先生に、制作過程や思いについて話を伺いました。  

(画像はえいくら葛真先生『続!青春マイノリティ』 のスクリーンショット)

 

【1】セクマイを題材にしたきっかけ

セクシャルマイノリティ(マイノリティ)を題材に漫画を描こうとしたきっかけはなんでしょうか。

「ぼく自身にマイノリティな一面があることと、ぼくの周囲もマイノリティ寄りだったことで、セクシュアリティに限らず“マイノリティ”を題材にすることがぼくにとって“遠い話”ではなかったからというのがひとつ。 もうひとつは、当時マイノリティを題材にした作品のマイノリティキャラクターが割と繊細だったり逆に“イロモノ”だったり、どこかしら特別な描かれ方をされていたのを常々不思議に感じていたからです。もっとフラットに描かれてたっていいのになと思ったのがはじまりです」

 

【2】セクマイであることを隠さない理由

隠してしまえば「マジョリティ側として生きられる」かもしれないセーラは「トランスジェンダーでありゲイ」という部分をオープンにしていますし、「みんなが大好きだけれど特別な誰かを作る気が無い」伊夏君など、作品内に出てくるキャラクターが「これが自分だ」と軸を持って生きているのが印象的に感じます。

隠す、誤魔化すをしないことは本人にとっても覚悟が必要でしょうし、周囲とも正面から向き合わなければならないのである種「隠すこととは別の生きにくさ」や「残酷さ」があると思うのですが、それでもキャラクター達の多くがそれを選んでいるというのが、新しくてキラキラしているように感じます。この「隠さない」というのは意識して描かれているのでしょうか。また、そのきっかけがありましたらお聞きしたいです。

「隠していないのは、キャラクターがそれを「隠さなくてはいけないこと」だと思っていないからです。 作中で虎一に『その道はきっと孤独だぞ』と言われたセーラは『自分を偽る孤独に比べりゃ屁みてェなモンだ』と笑います。セーラの天秤の答えがそれなんだろうと思います。 伊夏に関しては彼の性格的なもので、セクシュアリティだけ特別オープンなわけではなく“オープンな内容のひとつにセクシュアリティが入ってる”というだけです。 伊夏以外は、隠す/隠さないというより“葛藤中”“峠は越えた”“割り切った”というような、それぞれの“現時点での居場所”の違いだと思っています」

(画像は、えいくら葛真先生『続!青春マイノリティ』から拝借したもの)

 

【3】セクマイを否定も肯定もしない理由

様々なキャラクターが出てくる中で、お互いの持つ属性、「よく分からない部分」というものに直面する場面もいくつか出てきますが、筆者は安直に否定も肯定もするキャラクターが存在しないのも何となく安心感を覚えました。セーラのことを聞いて「分からん!」と虎一君は言っちゃいますしね。

もう少し昔の作品だとこうした話題を扱う時に傷つけないように(腫れ物に触るように)向き合うような雰囲気なものが目立ったように感じていたので、分からない、理解出来ない、受け入れるのが難しい、だからこそお互い正直に向き合うし言い争うこともあるというような話というのは読んでいて「私もこう出来たら」と考える理想のひとつになりました。何となく作品内に「マイノリティであるとしても諦めなくていい」というメッセージを感じ取るのですが、作品内で意識している物事はありますでしょうか。

「腫れ物に触るように扱う作品が目立っていたということは、恐らくそれが現実に近かったということなんでしょうが、“腫れ物に触るように扱われる”って、逆にメチャクチャ傷付いちゃうことないですか?  “相手を傷付けたくない”っていうのが、実は“相手を傷付けてしまったという事実に自分が傷付きたくない”という自己防衛だったりして、『これ以上触らないから、こっちにも踏み込まないでね』みたいなのが透けて見えちゃうと余計にこじれちゃったり。

決死のカミングアウト(と敢えて言いますが)に対して、そういう“やんわりとした拒絶”にも取られてしまうリアクションが必ずしも正しいとは限らないので、セーラと虎一の『オレは男でゲイだ!』『解せぬ!』『そうか!』みたいなやりとりはあってもいいのかなと思います。理解したり受け入れることが難しいことを“理解したフリ”“ポーズだけの受け入れ”で返すことは虎一はしませんし、ぼくの意識というよりは必然としてそうなりました。

色んなキャラクターがいるので、それぞれの言い分にぼくも驚くことがありますが、そういうお互いのアイデンティティを賭けたバトルも含めて楽しんで頂けたら幸いです。 “マイノリティであるとしても諦めなくていい”という視点は意識したことがなかったです。 描いている側としては『こんな人がいて、こう生きたよ』という生き様を描き出している感覚です。 マイノリティであろうとなかろうと、セーラを初めとするキャラクターたちは自分の信念に真っ直ぐだったと思うので、“マイノリティであるとしても諦めなくていい”というより、キャラクターそれぞれにある“己に真っ直ぐに生きること”を“諦めなくていい”という感じが近いかも知れません」

 

【4】読者へのメッセージ

最後に、読者の方たちへメッセージをいただければ幸いです。

「『青春マイノリティ!!』は昨年、令和元年度講談社漫画賞第1次候補に選出され、今年はAnimeJapan2020主催の『アニメ化してほしいマンガランキング』にノミネートされました。どちらも読者のみなさまの応援が叶えて下さったもので、心から感謝しております。 商業連載版『青春マイノリティ!!』、個人連載の『続!青春マイノリティ!!』、どちらもお楽しみ頂けたらさいわいです。セクシュアリティに限らず、ありのままで戦い、駆け抜けるセーラさんたちの応援、シェア、どうぞよろしくお願いします!!」

 

【5】まとめ

えいくら葛真先生、ありがとうございました。

様々な想いが込められた『青春マイノリティ!!』、ぜひお手に取って見てください。

☆えいくら葛真先生のツイッターアカウントはコチラ!  

(Shano編集部)

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