結婚という漢字がイヤ…バイではなくパンセクシャル“あるある”

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全てのパンセクシャルに言えることではないものの、多くの人が共感する“あるある”話というのがあるそうです。

そこで、パンを自認する人たちに取材してみました。  

 

【1】マイノリティで恋愛指向・性的指向以外にも癖がある?

わかりやすい話で言えば、他者に性的欲求が向かないアセクシャルやノンセクシャルに性嫌悪が多いように、各マイノリティで考え方や言動に傾向があるように感じます。

パンセクシャルでも同様のことが言えますが、もしかすればこうした傾向が、「バイセクシャルを自認しているけれど、男性・女性でくくれない人たちとそう頻繁に会わないから、パンセクシャルの可能性もある……」と思っている人たちが、自己分析をする一助になるかもしれません。

男性・女性以外とあったことがない場合に、相手について「男性・女性として見ているか」「男性・女性という枠組みで見ず1人の人間として見ているか」という点が、バイセクシャルとパンセクシャルの大きな違いとなりますが、そうはいっても、相手をどう見ているかという根本的な部分について、自問するのはなかなかに難しいことですからね……。

あるある話は「パンセクシャルの人が多く持っている考え方(と思われるもの)」に過ぎませんので、必ずしも当てはまるからといってパンとは言えませんが、参考にしてみてはいかがでしょうか?  

 

【2】バイにはない? パンセクシャルの“あるある”話

男性・女性としか恋愛をしないバイセクシャルと違い、Xジェンダーやトランスジェンダー、おカマやオネエといった、単純に男性・女性でくくれない人たちに対しても恋愛感情・性的欲求を抱くパンセクシャルだからこそだと思う、“あるある”話を取材してみました。

もちろんバイセクシャルでも同様の考え方をする人はいると思いますので、「パンセクシャルにありがちなんだな……」くらいに捉えていただければ幸いです。

(1)セクマイ問題に過敏になり過ぎない

「パンも許容範囲というか、何をどこまで認めるか、受け入れるかは様々だと感じています。私はかなり緩いパンセクシャルなので、セクマイのこのワードがダメだ、どうだという話は理解ができない部分があり、それよりも相手がどう捉えているかだと思っています。

わかりやすい例だと、“ビアン”がよくて“レズ”はダメという話でしょうか。“レズ”の方が浸透している世の中なので、相手がわざと差別的に使っているわけではないなら、別にいいんじゃないの…と思ってしまいます」(35歳・女性)

(2)各マイノリティの恋愛観を尊重する

同時に複数人と同時交際をするポリアモリーや、アセクシャルとかノンセクシャルにありがちな性的関係をしたくない人たちについても、世間的には『私だけを愛して』『他の人と性的関係になるなんて』『付き合うのに体を許してくれないなんて』という反応になりがちだと思います。

でも、私含めパンに多いように感じる考え方は、あくまでもその人の個性で、自分がその個性をねじ曲げるべきではないので、私はその人たちのことを尊重し、それに合わせた付き合い方をするということです。もちろん、パンでも様々だと思うので、あくまでも私や周辺の考え方です」(23歳・女性)

(3)「男らしさ」「女らしさ」が嫌い

「世の中、多様性が認められてまだよくなってきたものの、男がこうあるべき・女はこうあるべきというジェンダーバイアスがひどいですよね。

例えば、タレントで歌手のMattさんなんかは、多様性が認められてジェンダーレス男子なども人気が出始めた社会的な流れの中で、これまで『気持ち悪い』と言われていたのが一気に、『美しい』と開花したように感じます。2019年は、美容流行語大賞で特別賞を受賞し、『最もニュースな美容人』に選ばれたり、様々な美容関係の賞で受賞をするようになりました。

もちろん、脳科学などでは男性・女性差を研究している人たちがいることは知っていますし、科学的に『そうだ』あるいは『そういう人が多い』と言うなら、素人は口出しすべきでないので受け止めます。でも、そうじゃなくて世間が作り出したあるべきイメージは、その人の個性を潰しているようで好ましく思いません。相手の言動でそういうのを見つけてしまうと、モヤモヤしたり、人によっては嫌悪したりするパンが多いのではないかと思います」(19歳・男性)

(4)漢字の表記でモヤモヤすることがある

「例えば“女々しい”と言う言葉はジェンダーバイアスを嫌う人なら、男は強くあるべきという考え方があるようで苦手意識がある人が大半だと思います。しかし、それだけでなく“女”という表記が、女性はなよなよしているもの、あるいは“女っぽい”男という意味合いがあるように感じてモヤモヤします。

これはわかりやすい例なのですが、他にも『結婚』など、女だけのイベントのように感じるもの、あるいはもっと深読みすると男の元に入るニュアンスを感じてしまうものだと感じて、多様性を認めるなら、難しいとわかりつつも漢字の表記も変えていくべきなのではないかと思ってしまいます。『嬲る』とかも、男に挟まれる女という構図が微妙ですよね……」(27歳・女性)

(5)その他マイノリティについても気になる

「自分に関係しないことは関心が薄い人が多いと感じるので、全員が全員ではないと思います。ですが、他のマイノリティと比べてパンに“あるある”な話といえば、セクマイ以外の他の少数派についても意識を傾けたり、課題視していたりする人が多いことではないでしょうか。

少なくとも僕はいろんな人と話をしていてそう感じるのですが、人の様々な特徴を個性(あるいは生まれつきのもので差別されるべきでないもの)だと思うからこそ、例えば障害を抱えている人の雇用問題ですとか、アルビノやハーフの特別視あるいは偏見・差別ですとか、そういうマイノリティの人たちに対しても、社会の課題として関心を向けたり、訴えるようなSNSを見かけたら心を痛めたりとか、してしまうように感じます」(19歳・男性)

 

【3】まとめ

“男・女という括りで人を見ない”、“あくまでもその人に見られる特徴はその人の個性”というパンセクシャルというマイノリティによくある性質が、このような“あるある”話を生み出しているのかもしれませんね。

(Amy/ライター)

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ABOUTこの記事をかいた人

小学館にてプロライターとして記事を執筆をしている戸籍上女子。ライター歴は10年以上で恋愛記事の専門家。脳科学や心理学、生物学の視点から恋愛を解説することを得意としている。また、アセクシャル+FtX(無性)でありながら、LG(B)TQの彼氏を持っているため、セクシャルマイノリティに関心がある。