恋人との関係が進展すると振られてしまう…デミセクシャルの悩み

人の恋の形はみんな違う……。

マイノリティなセクシャル「LGBTQIA+」に迫る本企画。

今回はその中でも「A」にあたるアセクシャルに近いけれど、少し違う……。デミセクシャルの人に話を伺います。

 

【1】デミセクシャルとは

デミセクシャルは、日本語では「半性愛」と呼ばれています。

辞書を引いても出てこないため、日本での認知は低いと言っていいでしょう。

一般的に、他者に対して基本的には性欲を抱くことができないと言われています。

しかし、深い愛情や友情を持った相手に対してのみ、恋愛感情・性欲を抱くこともあります。

 

【2】恋人とエッチができない…デミセクシャルの悩み

取材に協力してくれたのは、Sさん(27歳・女性)。

彼女は今まで恋人に対して性欲を持つことができなかったと言います。

自分は無性愛者なのではないかと思い始めますが、実はそうではなかったようで……。

(1)体の関係になるのが怖い?

「私は今まで、人並みに恋愛してきました。告白される方が多かったけれど、私なりにその人を好きでいたつもりでした。付き合って数ヶ月すると、彼氏から肉体関係に迫られることがありますよね。その時になって、怖いと感じてしまったんです……。
拒否してしまって怒られることもあったけれど、たいていの場合には『初めてだし』と待ってくれました。しかし、一向に私の方が受け入れの姿勢を見せないので、『本当に好きなのか』と傷つけてしまうことがよくありました。肉体関係になれないから、付き合ってきた恋人は、みんな離れてしまいましたね……」

こうした経験もあって、Sさんは初めてを経験するのが単純に怖いのだろうと考えていたようです。

(2)「勿体ぶって」と言われてしまう

「私は元カレに『勿体ぶって』と怒られたことがあります。たしかに、怖いっていうのが理由で拒否し続けるのもおかしな話ですよね。『一回経験すれば平気だから』と、今思えば全く根拠のないことを言われて、彼を失うのが怖かった私は、体を許してしまいました。
正直、何がいいのかさっぱりわからなかったけれど、『だんだん気持ち良くなるから』と言われ、何回か言われるまま試してみることに。結局、全くエッチの良さがわからず、エッチが嫌いになってしまいました」

初体験の相手によって、エッチが嫌いになってしまう人は多いと言われています。

Sさんも、元カレがうまくなかったのかも……と考えるようになりました。

(3)エッチが嫌いだけれど付き合ってみて……

「一人経験したくらいで、嫌いだと決めつけるのは良くないですよね。恋愛でも結婚生活でも重要な行為だからこそ、軽率な決めつけをしたくはありませんでした。だから、この経験以降、迫られたら受け入れるようにしていました。
でも、やっぱり楽しいと思えなかったし、それで時間を取られるのが苦痛でした。そこで、私はやっぱりエッチが苦手な人だろうと思ったんです」

しかし、Sさんは次第に違和感を覚え始めました。

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ABOUTこの記事をかいた人

小学館にてプロライターとして記事を執筆をしている戸籍上女子。ライター歴は10年以上で恋愛記事の専門家。脳科学や心理学、生物学の視点から恋愛を解説することを得意としている。また、アセクシャル+FtX(無性)でありながら、LG(B)TQの彼氏を持っているため、セクシャルマイノリティに関心がある。