【3】自分は無性愛者?
モヤモヤした状況を抱えたまま月日が経ちました。
しかし、元彼のある言葉をきっかけに、彼女の悩みは進展します。
(1)性欲がないことに気がついた
「元彼に『ムラムラしたりはしないの?』『一人エッチしないの?』って聞かれたことがあるんですよ。そのとき、自分は性欲がわからないことに気がつきました。どんな感覚なのか聞いても、さっぱりイメージができなかったんです。『ムラムラっとするんだよ』なんて言われても、その『ムラッ』とする状況が理解できませんでした。
もちろん、行為中にもそういった感覚はなくて……。私は性欲がないんだということに気がつきました」
そこで、自分は無性愛者なのではないかと思ったそうです。
文献なども調べ、ほぼ確信するに至ります。
(2)試しにクラスメートで想像してみた
「ちょっと頭が悪い考え方をしたと我ながら思うんですけれどね……。大学の人とのエッチを想像できるか試してみました。しかし、想像通り、抱くなんて無理ですよね。気持ち悪さすら感じてしまいました。次に、『エッチな本を読むと濡れる』みたいな話を聞いたので、エッチな漫画も買ってみましたね。結局、全然興奮しないし、濡れませんでした。
たまに好きでもない人とワンナイトとかできてしまう人がいると聞きますけれど、自分は絶対にできないと思いましたね。性欲が強い人がやることなのかな……などと考えていました」
実証までして、「無性愛者だ」と確信したSさん。しかし、そうではなかったと話します。
(3)無性愛者じゃなかった
「次に、私は自分がレズビアンなんじゃないかと疑ったんですよ。今までちゃんと彼氏たちを好きになっていたつもりだったけれど、それって世間的に異性愛者が当たり前だから、惑わされていたのではないかと考えました。
自分は本当は女の子の方が好きだから、肉体関係まで行くと拒絶してしまうんじゃないかと推測したんです。それでまた、失礼だけれど、大学の女の子たちで想像してみて、ダメだという結論に至りました。しかし、例外が一人いました。彼女は親友で、私が信頼している人でした。だから、恋愛感情と友情を勘違いしているのかもしれないと、当時はかなり焦りましたね……」
彼女は親友に想いを伝えずに付き合うのは不誠実だと思うようになります。
しかし、嫌われる方が怖くて、ついに想いを告げることができませんでした……。
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