小さい頃からある違和感…ゲイ男性たちと出会う方法とその感想も

【3】ゲイたちと出会える場

Wさんは、こうした悩みを抱えながら、大学4年生になりました。

そこで、転機が訪れたと話します。

(1)友達作りイベントの存在を知る

「インターネットの検索サイトで『ゲイ 出会い』と検索したところ、どうやらゲイや男性のバイセクシュアルの人が集まる友達づくりイベントがあることを発見しました。よくよく調べてみると、このようなイベントは意外と随分前から開催されているようで、参加人数も少なくないことがわかりました」

ゲイの方の出会いの多くは、こうした集まりによるものらしいですね。

イベントも昔からあるようで、社会で知られる前から、悩みを抱えていたり仲間を探したいと感じる人が多かったような印象を受けます。

(2)生涯学習センターのような場で開催

「初めてそのイベントの存在に気づいたので、最初は参加を躊躇していましたが、思い切って参加してみることにしました。会場となったのは、都心にある生涯学習センターのようなところで、雰囲気も比較的落ち着いていたイメージがあります。会場に入ると受付には、20代中頃の優しそうな男の人が2人ほど座っており、参加費を払うと、胸に貼るネームプレートを渡してくれました」

清潔感と安心感のある場所でイベントを開催してもらえるとなると、参加しやすいですよね。

ボランティアイベントなどと大差がない雰囲気があります。

(3)年齢は18〜32歳ほど

「当時、会場には20人程度の参加者がいましたが、年齢は18~32歳くらいだったと思います。イベントの流れとしては、最初にスタッフの方の自己紹介があり、その後、何回かローテーションで5~6人のグループを作り、お互いにいろいろな話をしました。イベントの時間は全体として2時間程度だった記憶があります」

幅広い年齢層が集まるため、自分の年齢と近い人との出会いも期待できます。

経験豊富な年上からアドバイスももらえそうですね。

 

【4】ゲイや異性愛者と出会うことによる心の変化

Wさんは、人との出会いによって、自分の心のうちにも変化が生まれてきたと言います。

引き続き話を聞いてみました。

(1)当事者と会うことではっきりと自認

「5年ほど前のことなので、詳しいことは覚えていませんが、例のイベントこそ、僕がゲイであることをはっきりと認識する機会となりました。というのも、僕はそれまで同世代のゲイの人と関わることがなく、どこかで肩身の狭い思いをしていたのです。『僕は周りの人と違って、同性の人が好きになる変な奴なんだ』といった感じです。しかし、自分と同じ境遇の人と出会うことで、『自分は決して一人ではない』『ありのままの自分を受け入れてもいいんだ』と思えるようになったのです」

同じような人と出会うことで、救われる部分も多いですよね。

最近はSNSも発達してきていますし、同じようなセクシャルマイノリティで集まっているのを見かけるようになってきています。

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(2)異性愛者の方が幸せになれた? 

「それ以来、このような出会いイベントに参加したり、ゲイバーに行ってみたり、ゲイのボランティア団体に参加してみたりと、活動の範囲を自分なりに広げていきました。そのような活動を通じて、より多くの当事者や支援者と関わるようになり、出会いや苦い経験もしてきました。そのようななかで、『自分はやっぱり異性愛者のほうがよかったのではないか』と感じる場面も少なくなかったですね……。」

堂々と恋愛することの難しさや、結婚にまつわる喧嘩など、同性愛者であるからこそぶつかる壁というのは多く存在します。

そうした経験が、「異性愛者の方が良かったのではないか」と思わせるのでしょうね……。

(3)友人の結婚式に出るたび感じる劣等感

「友人の結婚式に参加するたびに、とても辛い思いをしました。『僕はこのようにはなれない』と意味のない劣等感を抱いてしまうんです。なかなか、同性同士での結婚生活は、社会的な意味でも、親へ理解してもらう意味でも、子どもを作る意味でも、困難が生じますからね。しかし、こんな劣等感を抱きつつ、それでも僕はゲイとしてこれからも人生を歩んでいこうと思っています」

結婚式というおめでたい場で、劣等感を抱く辛さは計り知れません……。

ゲイセクシャルの人たちも幸せな恋愛をしています。彼らがもっと幸せになれるといいですよね。

 

【5】まとめ

小さい頃からの違和感が積み重なり、自分がゲイセクシャルだと自認していく人もいます。

もしかすれば、この記事を読んで「あれ? もしかして自分も……」と思った人もいるかもしれません。

そんなときは、まずは当事者と出会ってみるのも良さそうですね。

(makoto/ライター)

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ABOUTこの記事をかいた人

LG(B)Tの男子。デミセクシャルだが、女性としか付き合ったことがない。自分がゲイ寄りのバイであることに気づいたのは、大学生になってから。女性も、トランスジェンダーや中性・無性の人にしか興味が向かないことに気がついた。当時かなり悩んだため、当事者たちが生きやすい社会になるよう、Shanoでの執筆を志望した。普段は、IT系の企業でマーケティングと営業を専門としている技術者。性的趣向が完全に女性なため、好みと欲求の食い違いに日々悩んでいる。