【３】恋愛を始める段階でつまずくってどういうこと？
人と人との繋がりですから、誰しも恋愛でなにかしらの悩みや不安は抱えるものでしょう。
アセクシャルもそれと変わらないのでは？ と思う人がいるかもしれません。
そこで、具体的にどういった相談がアセクシャルから寄せられるのか、私の経験からお話しします。
（1）友達に告白されたけれど…恋人としての距離感がわからない
アセクシャルは恋愛感情がないため、一目惚れやトキメキによる恋の訪れというものはありません。
多くの場合に、友達など、今まで繋がりがあった人と恋愛をスタートするようです。しかし、仮に恋愛をスタートしても、距離感がわからないことが大半です。
本来なら、好きな人であれば自然と近づきたいと思ったり、彼のために尽くしたいと思うものですが、アセクシャルはそういった恋をした際の信号が出ないわけですから、あくまでも脳は、その人を友達として捉えてしまいます。
恋人であっても、もともと友達であった人のことは、無意識に友達としか思えないのです。
といっても、恋愛関係になった以上、相手に特別な情があるので、恋人としてきちんと振る舞いたいという希望があります。
そこで、「恋人ってどうやって距離を詰めて、どういう風に振る舞えばいいのでしょう」という疑問が湧くのです。
初めての恋愛であれば、こういった悩みを抱えそうなものですが、アセクシャルはぎこちないなりに関係性を築いていくというよりは、全くわからず、友達とどう違うかしっかり理解しないと、恋人らしい振る舞いができないのです。
（2）恋人に「本当に私のことが好き？」と聞かれる
アセクシャルは、恋愛感情がないため、相手を恋人として特別視しようと思っても、なかなかできていないことが多いです。
アセクシャルでも、愛情というものは存在するため、相手を愛することができれば特別視することもあると思いますが、付き合い始めの段階で、いきなり「恋」から「愛」にステップアップするのが難しいことは理解いただけるでしょう。
特別視されていない空気は、どことなく相手に伝わってしまうことが多く、「男として、女として見られている気がしない」「本当に僕、私のことを好き？」と聞かれることも多いようです。
アセクシャルなりに、恋愛というものを学んで、その通りにやっているつもりでも、相手からはどことなく違和感を抱かれてしまうのです。
それに傷つき、「どうしたら彼が異性として見られていると感じたり、恋人として好きだと思ってもらえるようになるのでしょうか」という疑問を持つことも多いです。
しかし、恋愛ライターとして多く恋愛のロジックを学んできたAmyですら、「男として見られている気がしない」「恋人として好きなの？」と聞かれた経験を持っていますから、確かな回答は不可能です。
本能で人に恋をしていないからこそ、どこか機械的に取られてしまうのかもしれません。
（3）恋人の悪いところは初めから見えている状態
アセクシャルは、恋愛に興味がない人が多い中で、なんらかのきっかけによって恋愛を始める人もいます。しかし、せっかく恋愛をしても、なかなか上手くいかないことが多いです。
「そんなの、他の恋愛でもそうだ」と思うかもしれませんが、それにはアセクシャル特有の恋愛事情があります。
「恋は盲目」という言葉があるのはご存知だと思いますが、恋をしている間は脳内麻薬と言われるものが分泌されていて、相手のことを最高だと感じるようになっています。
だから、その脳内麻薬が薄まってくる３ヶ月頃に、相手の粗が目立ってきて、不満を感じるようになるのです。
その頃までに関係性が深まっていれば、その悪いところを受け入れようとするし、うまく受け入れることができなければ、別れる結果に繋がることもあるはずです。付き合って３ヶ月で別れるカップルが多いのは、こうした理由によるものです。
また、この脳内麻薬の持続性は３年と言われているため、３年で結婚しないと別れるカップルが多いと言われています。
しかし、アセクシャルはこの脳内麻薬が分泌されていないはずなので、付き合った段階から相手の悪い部分が悪目立ちします。付き合い始めは恋人としての関係性が危ういことが大半であるため、そこを上手く乗り越えられないと、すぐに恋愛が苦痛に感じるようになったり、別れてしまうというわけです。
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