固定観念に捉われすぎ…FtXから見た「恋愛を難しくする社会の仕組み」

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人の恋の形はみんな違う……。

マイノリティなセクシャル「LGBTQIA+」に迫る本企画。

本日はFtXである『Shano』編集部のハシモトツグミが、恋愛を難しくしている社会の仕組みについて語ります。

【1】多様な価値観を持つXジェンダー
【2】男女の固定観念
【3】結婚の仕組みと重み
【4】恋愛していて当たり前の社会
【5】まとめ

 

【1】多様な価値観を持つXジェンダー

そもそもXジェンダーとは、「自分の性別が両性・中性・無性・不定」の人のことをいいます。

私は女性の体で生まれましたが、自分自身を女性だと思えたことはありません。両性に近いですが、時々その認識すら揺れる「不定」だと自認しています。

「自分がどのような性別か」ということと、「どんな性別の人を好きになるか」は、関係がありません。

FtXでも女性が好きな人、男性が好きな人もいるし、MtXでも女性が好きな人、男性が好きな人、そして恋愛をしないという人もいるのです。本当に様々だと思います。

筆者は、そんなXジェンダーのなかでも、恋愛対象となる性別は特に決まっていません。男性でも女性でも、トランスジェンダーでもいい、いわゆる「セクシャルフルイディティ」です。

自分の性別も一定ではなく、恋愛対象もとくに決まりがないのです。

そんな「形にとらわれない」FtXから見た、「恋愛を難しくする社会」の仕組みを考えてみたいと思います。

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【2】男女の固定観念

「多様性」と言われるようになった最近の社会でも、まだまだ多くの「男女」の固定観念が残っています。

「ゲイ」「レズビアン」という言葉が浸透しても、それは「恋愛の形」の種類が増えただけで、それ以上の多様な形を想像できている人はどれくらいいるのでしょうか。

例えば、FtXが女性と恋愛をしたら、それは「レズビアン」という事になるのでしょうか。もしくは、FtXが男性と恋愛をしたら、それは「ヘテロセクシャル」という事になるのでしょうか。

Xジェンダーは前述したように、「両性」「中性」「無性」「不定」と種類があります。この種類も一度決まったら必ずこれ、というものではないので、その時々で変わることもあります。

「両性」であるXジェンダーが、「女性として女性を好きになる」こともありますが、「無性」のXジェンダーが自分の性とは関係なく、誰かを好きになることもあります。

社会的な「見た目の性」から本人のジェンダーを推測することもできず、極めて型にはめるのが難しいのです。

今の社会では「男女の恋愛」と「同性同士の恋愛」という二つの種類だけが印象として強く、それは「男・女」という性別ありきの話であり、それ以外の性別については想像が至っていないのが現実です。

実際にはもっと多くの性別と、もっと多くの恋愛の形があります。「男女」という固定観念から抜け出せたら、もっと恋愛は自由になりそうですね。

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【3】結婚の仕組みと重み

「こんな年齢なのに、まだ結婚していないだなんて」という世間の声や、「結婚して家庭があると信用が増す」なんていう社会的イメージ。形にとらわれないFtXから見ると、あまりにも堅苦しすぎて驚いてしまいます。

確かに「結婚」とは、社会的な仕組みの中で権利を得たり、お互いの生活に影響を与える制度です。

ただ、今は「男女」でしか可能ではない婚姻という制度を、年齢によって「しなければならない」ものにしたり、ましてや個人の信用を担保するものにするのは、あまりにも暴力的です。

そして「恋愛」の最終地点に「結婚」というものが存在しているのも、恋愛の形を狭めているような気がします。

もちろん望んで結婚することは問題がないです。ただ結婚という形を望まない人、望んでもその制度を利用できない人も事実として存在します。

そういった人たちでも自由な形で恋愛をし、お互いが望む関係で添い遂げることができるような社会、そして望めば誰でも婚姻という制度を利用できるような社会になるといいと願っています。

 

【4】恋愛していて当たり前の社会

「彼氏・彼女はいるの?」「好きなタイプってどんな人?」日常会話の中に頻繁に出てくるやり取りです。

たいてい、こういった話を持ち掛ける人は、相手がもちろん「見た目の性」通りのジェンダーで、もちろん異性愛者だと思っていることが多いです。

社会は「異性に恋愛をしていてあたりまえ」の固定観念があります。

同性が恋愛対象の人は、カムアウトしていなければその話に乗ることはできないし、うまくはぐらかす他ありません。

そして、そもそも「恋愛」というものをしない人たちもいます。恋愛感情や性愛はないけれど、人間関係のなかで愛情を感じることはある、という人もいます。

「ゲイ」や「レズビアン」の性的マイノリティよりも、もっとマイノリティな存です。

「恋愛していて当たり前」の社会は、そういったマイノリティたちの存在を想定していませんよね。恋愛に自由を求めるとするならば、「恋愛しない自由」があったっていいですよね。

ひとつひとつの恋愛、すべてが「当たり前ではない」世の中になるといいと感じています。

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【5】まとめ

以上3点が、FtXである筆者からみた「恋愛を難しくする社会」の仕組みたちです。

こんな仕組みがこれまで続いているのは、どれも例外を「想像していないから」でしょう。

恋愛していて当たり前・異性が好きで当たり前・そのうち異性と結婚して当たり前。

そんな「みんなそうだから」という思考停止をやめて、どんなジェンダーの人がいるのか、その人にはどんな愛の形があるのか、そんなことをを少しずつ想像していくだけで、関係性は決まった形ではないことに気づくことができるでしょう。

それが愛、恋愛の形を自由にする第一歩になっていくと思います。

(ハシモトツグミ/ライター)

 

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