【3】「恋」がない状態で恋愛を維持するために必要なモノ
ようやく本題に入ります。
私は、アセクシャルは人を愛することができると考えております。しかし、恋愛感情を持つことがありません。
つまり、「愛」はあり得ても、「恋」はないのではないではないでしょうか。
アセクシャルに関して研究が進んでおらず、母数もさほど多くないので、あくまでも当事者として感じる感想でございます。
しかし、「愛」を育むには時間が必要でしょう。全く「恋」がないにも関わらず、恋愛を維持する原動力はなんなのか、不思議ですよね。
そこで、主だった原動力について考察いたします。
(1)初めから3年後の恋から冷める状態かな…
脳科学的に、恋愛に関して脳内麻薬作用が出ている状態が続くのは3年であると言われています。
これまでに、「恋」から「愛」にステップアップしていないと、破局するカップルが多いと言われていますよね。
感覚としてですが、アセクシャルにはこの脳内麻薬作用がないのではないかと感じております。
つまり、付き合って3年後に突然、恋が冷める状態が初めからできているのだと思います。
(2)恋に変わる情は必要
このように考えますと、相手に好感を持てないにも関わらず、アセクシャルが恋愛を維持するのは困難であるように感じます。
現に、私が知るアセクシャルの方達は、もともと友達であった相手ですとか、憧れや尊敬の念がある相手ですとか、人間的に好意を持てる相手と恋愛をしております。
こういった情が、アセクシャルにおける恋愛の原動力となっているのではないでしょうか。
社会的な風潮で、「なんで恋愛しないの?」と言われ続けたアセクシャルの中には、ストレスから解放されたくて恋愛をすることもあるかもしれませんが、その人個人に対して特別な興味を持たなければ、関係性を維持し続けるのは困難であるように感じます。
(3)情から愛を育む
「アセクシャルは結婚が困難だ」という言われ方をしているのをよく見かけます。
確かに、興味のない相手との間に子を授かり、年中共にいて、支えながら生活するのは困難に感じます。
しかし、友情など、なんらかの情をもとに付き合い続ければ、それが強い感情となって、愛に変わることはあるのではないかと思います。
そうすれば自然と恋人と結婚したいというような気持ちも湧きます。愛まで育まれれば、そこに大きな溝が生まれない限り、関係性を維持するのはたやすいでしょう。
【4】まとめ
恋人と付き合って3年が過ぎた状態というと、アセクシャルの恋愛がイメージしやすいのではないでしょうか。
ドキドキ感を感じたり、相手に対して新鮮味を覚えることはありませんが、確かな安心感はありますよね。
もし、「恋は盲目」というように、自分と合わない相手にも関わらず、「好き」だと思い続けて恋愛をし続けたなら、3年でうまくいかず冷めてしまうでしょう。
こうしたことから、アセクシャルは、自分自身の気持ちを偽らず、無理なく付き合っているのなら、長く続く相手とそうではない相手がはっきりしているような印象があります。
良く考えれば、恋に惑わされることのない状態と言って良いかもしれません。
(Amy/ライター)
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