異性装をしているからといって、セクシャルマイノリティとは限らない

異性装をしているからといって、セクシャルマイノリティとは限らない

女装にしろ男装にしろ、こうした界隈で「女装」も「男装」も表現として使いにくいのかなと思うこともあるのですが、今回は筆者の友人知人に存在する「特にセクシャルマイノリティという感覚は持っていない方々の異性装」についてご紹介しようかと思います。

【1】理想を追い求めた結果な人

私の友人にはLGBT当事者もいますが、そうでないというか「LGBTというものがまだよく分からない」という人もいます。そんなタイプの友人が、暫く前に相談半分の話をしてきました。

「学生時代からの友人の女装が、段々進化していってる」と始められた話は、身近にLGBTに詳しい人がいなかったから私に回ってきたのかもしれませんね。昔は時々、少しだけのメイクであるとかレディース服を身につけるだったのが、今やメイク技術も上達して女装した姿で会うことが多いのだとか。

友人としては女装しているしていないは大きな問題ではないらしいのですが、やはりまだよく分からなくともLGBTというものが浸透しつつある世の中なので理由を聞いていいのか少し悩んだそうです。

しかしやはり気にはなるので今後相手を傷つけないためにもと理由を聞いたところ、「自分の好みの女性を探すより、自分でなった方が早い」という友人の予想を越えたものでした。こうした感覚ももしかすると何かしらのマイノリティの枠に入るのでしょうが、今回はそうした細かい部分はおいておきましょう。

もう少しかみ砕くと「女性の恋人が欲しい、しかし自分の好み全てに当て嵌まる女性を探すのは難しい。女性に自分の好みやこだわりを押しつけるのはマナー違反。それなら恋人が欲しいはさておき、理想の女性像だけは自分が努力すればどうにかなるのではないか?」というわけですね。LGBTというものが浸透しつつある一方、浸透したからこそ一人歩きもしてしまうのでしょう。

外見という分かりやすい記号から「異性装=LGBTの何かなのかな?」と考えてもらえるのは多くの人々に「知られてきている」と安心する一方で、この話のようにちょっとした「どうしたらいい?」と身構えるケースも発生しているんですね。

実際、こうした思考から女性と見間違える程にメイクから小物までバッチリ決めた女装をする人は一定数いらっしゃいます。セクシャルマイノリティ云々でなくとも、今までの「男らしさ」で欲しいものが手に入らなかった人、カワイイものを持っていてもいい時代になりつつあるだけでも嬉しいことです。

【2】特定の「お洋服」に合わせるため、抵抗がない人

それは用事があって夜に街中へ出かけた時のことでした。とはいえ、筆者の住んでいる地域の街中というのは都会のように人が多くありません。なので派手な服装をしていれば目立ちます。

例えば、ゴシック&ロリータなどの服装をしていれば遠目からでも「ああ、私の友人だ」と判別が可能です。友人達の一部にはゴシックやロリータ、パンクスタイルなどの服装を昔から好んで大切に着ている人達がおりまして、その夜も黒いロリータテイストのワンピースに身を包み歩く人物を見かけたのです。

ですが、友人達の身長などを考えてもその人物の身長は明らかに高身長。あまり派手な服を着て歩く人も少ないので「はて、県外から誰か来るようなイベント事でもあっただろうか」などと考えていたところ、向こうから歩み寄られて声を掛けられました。バッチリ服に合わせてウィッグを着用し、メイクもしておりましたが間違いなく友人でした。男性の。

こうしたお洋服文化に関わっていると、モデルの男性がレディースものを着用していることも珍しくはないので(V系アーティストの中には「女形」のようなポジションの方もいますので、わりとそうした方がモデルをしていらっしゃいました)私も彼の女装そのものには驚かなかったのですが、逆に友人だからこそ「服装の路線変わったの!?」とそちらの方向で驚きました。「王子系じゃなかったっけ!?」と。驚く場所が違うとツッコミを入れられそうな気がしますが、趣味で出来た友人関係だとこうしたものじゃないかと思います。

因みに理由を聞いてみるとやはり、「勿論服装の路線そのものは変わってないけど、このお洋服が着たかったから」でした。「気持ちはものすごく分かる」と上品なレースとフリルに彩られたワンピース姿を見て頷いた私の方が、周りからすると不思議な存在に見えたかもしれませんね。

【3】まとめ

体験談というにはふんわりとしており、もう少し詳しい分析なり何なりをするべきかもしれません。とはいえ、あまり細分化しようとするとこれはこれで難しくなり余計に当事者や詳しい方々以外からすれば「もっと分からなくなった」と受け取られるような気もするのです。

そのため、毒にも薬にもならないようなお話ですが敢えて出してみました。セクシャルマイノリティに近いような遠いような、そんな部類からのお話ですね。

(Shano編集部)

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